日系ベンチャー、 比ケソン市と電動車両大量導入へ提携
2015/02/04
GMS、独自の車両遠隔制御システム活用でEV普及促進へ
自動車ICTのベンチャー企業、グローバルモビリティサービス(GMS、本社:東京都千代田区)は、昨今注目を集めている自動車のIoT(Internet of Things:モノのインターネットワーク化)分野において、新しいビジネスモデルを開発した。今後、国内外において様々なビジネスを展開して行く方針である。
GMSが独自開発したシステムであるMCCS(Mobility-Cloud Connecting System)は、クラウドを用いてあらゆる車両の位置・走行情報や利用情報等をリアルタイムでセンシングすることができ、収集した情報を分析した上で、 車両に適切な遠隔制御を、自動で働きかけることを可能にするシステムである。この技術を活用することで、これまでにない新たな自動車向けサービスを提供することができる。
GMSはMCCSを活用して”与信がなく車両を購入できない層に対し、”利用料金の支払いが止まれば車両を遠隔起動停止して回収する”ことを条件とし車両を提供するという、新たな与信を生み出すサービスを展開する。
GMSは日本国内において、車両の遠隔制御機能を活用しての各種サービスを展開するに留まらず、新興国において”車両購入時の与信問題を解決する”ための画期的なシステムとして、三輪タクシー車両(トライシクル)に搭載し事業を展開していく。
第一市場国として拠点(駐在員事務所)を設けているフィリピンは低所層が多く、タクシーとして営業すべく車両を購入したくとも与信がない、という人々が 数多く存在する。また、排気ガスによる大気汚染が著しく、重症呼吸器感染症が死因の約3割を占める程であり、大気環境改善が強く求められている。そのよう な環境において、アジア開発銀行から3億ドルの融資を受けまず10万台の車両の電動化を目指すなど、運輸部門の排気ガス改善にr注力しつつある。しかし電動車両は価格が高額であるが故に普及が進まない等の問題を抱えているのが現状である。
GMSのMCCSは、車両の現在位置のリアルタイム把握、有事の際に遠隔で走行停止制御を行う事が可能となるため、”与信審査を不要にして車両を提供しながらも確実な資産保全ができる”という、新たな車両提供サービスを実現し、現地の人々の雇用創造・生活水準の向上に貢献する。またGMSは、電動車両を 始めとした環境対応車両を積極的に取り扱い大規模普及を実現することで、新興国の深刻な大気環境の改善に貢献する。
GMSは、フィリピンのマニラ首都圏において、トライシクルを対象とした、電動車両提供サービスの実証実験を現地政府や現地大手インフラ企業らと共に 行ってきたが、今年1月ですべての確認を終え無事に実験を完了した。 実証実験では、航続距離を含めて支障なく電動車両が稼働すること、同サービスモデルが利用者から想定通りの料金回収を実現できたこと、現地利用者から車両やモデルについて評価を得、サービス開始前の段階からプレオーダーを数多く獲得したこと等の成果を上げ、今春事業化をスタートする。
そして、このほど、マニラ首都圏のケソン市バウティスタ・ハーバート市長との間で、GMSが開発した車両遠隔制御システム(MCCS)を電動車両(E- 車両)に搭載することを前提とした、E-トライシクル(電動三輪タクシー)の大量導入に向けた利用サービスを行うことで合意書を締結した。
ケソン市は、市内を2万台以上の商用トライシクルが走行している。市はGMS独自のサービスを活用することで、市内の全台を数年以内にE-トライシクルへと置き換えることを目標としている。 GMSのサービスにより環境・経済・エネルギーに関する課題解決が実現できる可能性があるとの期待が集まっている。
GMSは、MCCSを活用し自動車のIoT化(コネクテッド・カー)を促進すると共に、コネクテッド・カーに向けた様々なサービスを展開していく方針で ある。さらには、クラウドに集められたクルマに関するビッグデータの活用、そして独自のコネクテッド・カー向けアプリケーションを提供するプラットフォー ムサービスの展開という新たなステージを目指す方針でもある(15年2月3日のグローバルモビリティサービスのニュースリリースなどより)。