三菱自動車の比新工場稼働、生産能力70%増強
2015/01/29
アセアン事業の柱に、開所式にアキノ大統領ら出席
三菱自動車は1月29日、フィリピンにおける生産・販売会社であるミツビシ・モーターズ・フィリピンズ・コーポレーション(MMPC)の新工場(ラグーナ州 サンタロサ市、約21ヘクタール)での生産を開始した。同日、これを記念して、開所式を開催した。
開所式にはアキノ大統領、ドミンゴ貿易産業相、フィリピン経済区庁(PEZA)のデリマ長官をはじめとしたフィリピン政府関係者、三菱自動車の益子修会長や双日の佐藤洋二社長などMMPC出資企業幹部、MMPCの柴田彦三郎社長など多くの関係者が参列した。
この新工場は、昨年12月に閉鎖した旧工場(リサール州 カインタ市)の年間生産能力3万台を上回る年間5万台の生産能力を有しており、約70%の増強となる。そして旧工場で生産していたアジア仕様多目的車(AUV)の『アドベンチャー』と軽商用車『L300』の生産を行う。この新工場は、フィリピンでの生産を停止したフォードの拠点であったフォード・モーター・カンパニー(フィリピン)の所有する工場跡地を取得したもので、更から新工場を建設するよりも非常に割安であったとのことである。
三菱自動車の益子修会長は、開所式に際し、「フィリピンは、三菱自動車社にとって最重要市場であるアセアン地域の中で、今後最も成長が期待される市場です。私どもは、ここフィリピン市場を、当社アセアン事業の柱の一つと位置付けるとともに、引き続きフィリピン自動車産業の発展および雇用創出に貢献して行きたいと思っています」とコメントした。
三菱自動車は、2016年度までの中期経営計画「ニューステージ 2016」において、その事業戦略の柱の一つとして「アセアン地域の生産体制強化」を掲げており、フィリピンにおける生産体制の強化もその一環となる。長 きにわたる事業の歴史と地域に根付いた事業活動が受け入れられ、フィリピンでは高い販売シェアを維持しているが、今後も販売拡大に向けて、生産体制の再構 築を含めた事業基盤の強化に取り組んでいく方針である。
ちなみに、MMPCの2014年の販売台数は前年比15.2%増の4万8,793台に達している。フィリピン自工会(CAMPI)等工業会加盟企業ベースでのシェア21.3%、自動車輸入販売企業協会(AVID)加盟企業分を含む総販売台数ベースでのシェアは18.6%に達し、双方ともに、トヨタモーター・フィリピン(TMP)の各々45.0%、39.1%に次ぐ第2位の座を強固なものとしている。
なお、MMPCの設立は1963年2月で一昨年50周年を迎えた。現行資本金は16億4,000万ペソ、出資比率は三菱自動車51%、双日49%、 従業員数は約900名(2015年1月)である。 販売車種は以下のとおり。
【フィリピン生産】 アドベンチャー、L300
【タイ生産】 ミラージュ、ミラージュG4(アトラージュ)、モンテロスポーツ(パジェロスポーツ)、L200/ストラーダ(トライトン)
【日本生産】 ASX(RVR)、パジェロ
(15年1月29日の三菱自動車工業株式会社ニュースリ リースより)。