訪日フィリピン人数70%増加、10年ぶりに最高記録
2015/01/20
14年18万4千人へ急増、伸び率ASEANトップに
世界主要国でも中国人83%増に次ぐ第2位の伸び
日本政府観光局(JNTO)は1月20日、訪日外客数などに関する2014年12月及び通年(1~12月)の推計値を発表した。
2014年12月の訪日外客数(推計値)は前年同月比43%増の123万6,100人となり、これまで12月として過去最高であった2013年の86万4千人を37万2千人上回った。
市場別では、香港、シンガポール、マレーシア、インドネシア、豪州が単月として過去最高を記録したほか、韓国、中国、台湾、タイ、フィリピン、ベトナム、インド、米国、カナダ、フランス、ドイツが12月として過去最高を記録した。上位5市場は、1.韓国(前年同月比48.2%増の27万0,900人) 2.台湾 (41.9%増の21万2,000人) 3.中国(96.7%増の19万人) 4.香港(47.1%増の10万6,200人) 5.タイ(36.2%増の7万6,300人)。
フィリピンからは96.2%増の2万1,800人で、12月としての過去最高を更新。9月30日よりスタートしたフィリピン人に対する数次ビザの大幅緩和が呼び水となった。
14年通年の累計訪日外客数(推計値)は前年比29.4%増の1,341万3,600人となり、これまで過去最高であった2013年の1,036万4千人を300万人余り上回った。
ビザの大幅緩和や消費税免税制度拡充のほか、アジア地域の経済成長に伴う海外旅行需要の拡大、円安進行による訪日旅行の割安感の浸透などが、2014年の訪日外客数の拡大に寄与。また、観光庁、JNTOが中心となって継続的に取り組んできた訪日プロモーションや日本国内のインバウンド業界の機運の高まりが、さらなる訪日旅行の魅力の訴求に繋がった。
市場別では、主要18都市のうち、英国、ロシアを除く16都市が年間での過去最高を記録した。また、ロシアを除く17市場が前年比二桁増の伸びを示した。上位5市場は、1.台湾(前年比28%増の282万9,800人) 2.韓国(12.2%増の275万5,300人) 3.中国(83.3%増の240万9,200人) 4.香港(24.1%増の92万5,900人)、5.米国(11.6%増の89万1,600人)。
フィリピンからは70%増の18万4,200人。10年ぶりに過去最高を記録するとともに東南アジア市場で最も高い伸び率を示した(これまで過去最高は2004年の15万4,588人)。月別では、4月から6月、9月から12月で、各月の過去最高を記録した。査証緩和に加え、円安の進行や羽田空港の国際線発着枠の拡大に伴う増便や新規就航など、航空座席供給量が大幅に増加したことや、旅行会社などとの継続的な共同広告の実施、旅行博でのプロモーションが、観光需要を大きく後押しし、2014年の伸びに寄与した。
注)「訪日外客」とは、国籍に基づく法務省集計による外国人正規入国者から日本に永住する外国人を除き、これに、日本を経由して第三国に向かうために日本に一時的に入国した通過客(一時上陸客)を加えた入国外国人旅行者のことである。「観光客」とは、短期滞在の入国者から「商用客」を引いた入国外国人で、親族友人訪問を含んでいる(15年1月20日の日本政府観光局発表より)。