日本、フィリピン台風災害復興を継続支援
2015/01/09
クイックインパクト・プロジェクト第1号引き渡し
在フィリピン日本大使館は、1月13日、東サマール州ギウアン及びバランギガにおいて、フィリピンにおける緊急開発調査 「台風30号(フィリピン名:ヨランダ)災害復旧復興支援プロジェクト」の一環として実施されているクイックインパクト・プロジェクトのうち、「コミュニティ再建のためのデイケアセンターの再建(住民交流活性化)プロジェクト(ギウアン)」及び「国立農業学校再建を通じた災害に強い建築技術訓練プロジェク ト(バランギガ)」の引渡式を行う予定である。引渡式には、同館大谷書記官及び丹羽JICAフィリピン事務所長が出席する予定である。
クイックインパクト・プロジェクトでは、被災地の経済活動再建、生計再建・向上及び行政機関の災害対策支援体制の強化を図ることを目的として15事業を 実施しており、今回の引渡式が15事業のうち最初の引渡となる。今回のデイケアセンターの再建や国立農業学校再建を通じた建築技術訓練の他、災害に強い養殖技術の導入、農水産加工を通じた生計復興、災害に強い公共施設再建による自治体の行政能力向上等を実施している。また、台風ヨランダ災害復旧復興支援プ ロジェクトでは、クイックインパクト・プロジェクトの他、ハザードマップの作成・供与や被災自治体の復興計画策定支援を行っている。
防災及び災害対策の分野における協力は、共に自然災害多発国である日比両国間の協力の主要な柱の一つであり、本事業の実施は、両国間の戦略的パートナーシップの一層の発展に寄与するものである。最近のフィリピン国内において増大している自然災害による被災状況を踏まえ、日本政府としては、今後とも必要な支援を行っていく方針である。
2013年11月に「過去に類を見ないほどの規模」と形容された台風ヨランダは、フィリピンの9地域に甚大な被害を与えた。日本は、直後から被災者への緊急援助を実施するとともに、緊急対応から復興に向けて無償資金協力や技術協力などの継ぎ目のない協力を実施してきた。
緊急復旧復興支援プロジェクトでは、台風災害の緊急復旧・復興プロセスにおいて、日本の経験と教訓を参考にしつつ、被災地域の早期復旧・復興、さらにより災害に強い社会およびコミュニティの形成について、その一連のプロセスを包括的に支援するためのマスタープランの策定や、優先的な復旧・復興事業の形成・実施などを支援する。これにより、フィリピンにおける災害に強い社会の形成に寄与する(15年1月8日の在フィリピン日本大使館発表などより)。