キリンHD、フィリピン現地経験者が経営舵取り

2014/12/28

2名の新代表取締役はともに元サンミゲル出向者
社長が磯崎功典氏、常務執行役員が西村慶介氏

 

 キリングループは、2012年に長期経営構想「キリン・グループ・ビジョン2021」(略称:KV2021)を策定し、「ブランドを基軸とした経営」を中核に据えて、グループ全体の持続的な成長の実現に向けて各地域での自律的な事業展開を推進している。


 この度、グループ全体の経営資源の配分を担うキリンホールディングス株式会社と日本綜合飲料事業を牽引するキリン株式会社をより一体的に運営する経営組織体制へ変更することにより、グループの戦略的資源配分の意思決定を機動的かつ適正に実現するとともに、再重要課題である日本総合飲料事業の再成長にスピード感をもって取り組み、KV2021実現をより確かなものにしていく方針である。

 具体的な変更内容
①キリンホールディングス株式会社及びキリン株式会社に新たな執行役員制度を導入する。一部を除き両社取締役は自社執行役員を兼務し、さらに両社間で執行役員を兼務することで、一体的かつ機動的に運営する執行体制を作り、意思決定と執行を緊密に連携させるとともに、最優先課題である日本綜合飲料事業の再成長を推進する。
 なお、両社の執行役員はグループ全体戦略の策定に参画し、事業またはグループ各機能の業務執行の責任を負う。一方、キリン株式会社執行役員は、日本綜合飲料事業戦略の策定に参画し、各機能または同社の統括するう事業の業務執行の責任を担うものとする。

②海外総合飲料事業の強化のため、ブラジルキリン社及びキリンホールディングスシンガポール社について、キリンホールディングス株式会社に担当執行役員を設置する。

③併せて、監督機能の強化を図るため、社内取締役を1名増進し3名とする。

 このようななか、キリンホールディングス株式会社は12月22日の取締役会において、キリンホールディングス株式会社及び子会社(キリン株式会社及びキリンビール株式会社)の代表取締役および役員の異動を行うことを内定した。

 キリンホールディングス株式会社の新代表取締役社長には磯崎功典氏が就任する。磯崎氏は現在キリン株式会社及びキリンビール株式会社の代表取締役社長を兼任しているが、2015年4月以降はキリンホールディングス株式会社とキリン株式会社の代表取締役社長を兼任する。

 また、キリンホールディングス株式会社の代表取締役常務執行役員には西村慶介氏が就任する(現在は常務取締役)。

 なお、磯崎氏は2004年3月から2007年2月までサンミゲルに出向し常勤取締役を務めた。また、西村氏も2009年3月にサンミゲルに出向し常勤取締役就任、2009年4月から2011年9月まではサンミゲルのビール部門がスピンオフして設立されたサンミゲルビールの取締役副社長を務めた。2011年10月にキリンホールディングス株式会社に帰任したが、帰任後も現在に至るまでサンミゲルビールの非常勤取締役を務めている。

 すなわち、キリンホールディングス株式会社の新代表取締役は双方ともサンミゲルグループへの出向経験者である(14年12月22日のキリンホールディングス株式会社ニュースリリースより)。