第4四半期の企業景況感指数、約5年ぶりの大幅上昇
2014/11/23
前期比13.9%上昇の48.3%に、前年同期52.3%からは低下
金融仲介72.9%、ホテル・レストラン72.3%、不動産66.7%
フィリピン中央銀行(BSP)による企業調査によると、2014年第4四半期(10~12月)の総合景況感指数(CI)は 48.3%ポイントで、前年同期(52.3%)、前々年同期(49.5%)には及ばなかったが前期(34.4%)からは13.9%ポイントの大幅上昇となった。前期比では2010年第1四半期の17.1%上昇以来、約5年間での最大の上昇幅となった。
景況感指数が前期から改善した主な理由として、回答企業は、1)コメの主要収穫期及びクリスマス・シーズン中の予想される内需拡大(季節的要因) 2)生産量の拡大につながる継続的な受注やプロジェクトの増加 3)事業拡大と新生産ライン増設 4)新ビジネス戦略・プロセスの導入等を挙げている。また、官民連携(PPP)プログラムによるインフラ整備・開発プロジェクトの促進期待と安定したインフレ率・低金利、外国投資流入、フィリピン人海外就労者(OFW)の安定した送金額など堅調なマクロ経済状況がポジティブな見通しを後押ししている。フィリピンの景況感はカナダ、ニュージーランド、香港などの明るいビジネス見通しに酷似している。
第4四半期の総合景況感指数(CI)を地域別に見ると、首都圏が49.8%(前期37.5%、前年同期58.7%)で前期より改善したが、前年同期からは悪化した。一方、地方は45.8%(同29.1%、41.5%)で前期、前年同期から改善した。
業種別では、鉱工業セクターが31.8%(前期30.1%)、建設セクターが47.1%(同42.3%)、卸売・小売セクターが56.1%(同 31.6%)、サービスセクターが56.0%(同41.0%)。サービスセクターでは、金融仲介業が72.9%(同51.5%)、ホテル・レストランは 72.3%(同8.7%)、ビジネス活動は38.7%(同39.1%)、不動産は66.7%(同43.8%)、地域社会サービスは45.7%(同 48.0%)、輸送は51.6%(同41.1%)。
一方、次期(15年1~3月)に関しては、総合景況感指数(CI)は43.1%で、前期時点での次の期のビジネス見通し(52.9%)より低下した。
景況感指数(CI)は景気動向に関して良いという回答から悪いという回答を差し引いたもので、ゼロが中立となる。今回の聞き取り調査期間は2014年10月1日~11月13日、調査対象は証券取引委員会(SEC)登録上位7,000社(2010年)及びビジネス・ワールド紙上位1,000社(2012年)から選出された全国17地域の1,518社(首都圏604社、地方914社)で、回答率はフィリピン全体で84.1%(前期84.3%)。首都圏の回答率は80.8%(前期 80.9%)、地方が86.2%(同86.6%)。回答者を業種別で見ると、輸入企業が18.2%、輸出企業が8.4%、輸出入企業が18.4%。回答者 の約55%は輸出・輸入企業のどちらでもないか、または業種を明記しなかったかのいずれかである(14年11月21日のフィリピン中央銀行発表より)。