比パナソニック業績続伸、上半期15%増益に

2014/11/18

売上高5%増の38億ペソ、消費者向け製品が36億ペソ

 

  パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピン(PMPC、会計期末3月、本社:リサール州タイタイ)が、2014年度上半期(14年4月~9月)事業報告書を提出した。

  PMPCの2014年度上半期の売上高は前年同期比5%増の38億0,623万ペソに達した。好調なフィリピンの内需、PMPCの販売促進効果、販売代理店の拡販努力などにより増収となった。具体的には、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、エアコン等の家電製品の売り上げが増加した。    

  損益面では、増収効果やコスト抑制効果などで、総利益が同比3.2%増の10億4,138万ペソとなった。販売費が同0.8%増の6億2,435万ペソ、一般管理費が同5.2%増の3億0,462万ペソにとどまったことなどで営業利益は同12.4%増の1億1,242万ペソへと二桁増加となった。さらに、その他収入が同10.6%増の1,353万ペソに達し、税金引き当てが同2.0%増の2,574万ペソにとどまったこともあって、純利益は同15.2%増の1億0,021万ペソ、1株当たり純利益も同14.3%増の0.24ペソへと拡大した。
 
 なお、2013年度上半期の純利益は同426%増(約5.3倍)の8,701万ペソへと急増した。今上半期の純利益はさらに増加、業績続伸という結果となった。
 
 主要部門の動向に関しては、主力の消費者製品(家電・AVなど)の売上高が同4.3%増の35億8,364万ペソ(構成比94.2%)に達した。その営業利益は同18.9%増の1億4,266万ペソへと二桁増加した。一方、ビジネス製品(通信・セキュリティー関連機器など)の売上高は同16.3%増の1億8,214万ペソ(構成比4.8%)、その営業利益は同67.7%増の312万ペソであった。
 
 今9カ月間の設備投資額は2,970万ペソであった。今後、一層の生産効率化のための投資実施や環境配慮型製品(エコ製品)積極投入などによる業績向上を目指している。

PMPCの2014年度上半期の主要部門の売上高・損益動向(単位:万ペソ)

部門 GCMS(消費者製品) SNC(ビジネス製品) ES(エコ) その他 総合計
主要製品 家電・AV等 通信・安全機器等 環境関連製品 その他 全商品
売上高 358,364 18,214 755 3,291 380,623
前年同期比 4.3%増加 16.3%増加 40倍に増加 1.8%減少 5.0%増加
構成比 94.2% 4.8% 0.2% 0.9% 100.0%
 
営業損益 14,266 312 185 -3,521 11,242
前年同期比 18.9%増加 67.7%増加 129.1%増加 赤字55.5%拡大 12.4%増加
前年同期実績 11,999 186 81 -2,264 10,001

(出所:パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンの事業報告書より作成)
    GCMSとはグローバル・コンシューマー・マーケティングセクターの略
    SNCとはシステム・ネットワーク&コミュニケーションの略

 
 なお、パナソニックのフィリピンにおける製造・販売拠点であるPMPCは、フィリピン初の日系合弁家電企業であり、長い歴史を有している。

 PMPCの起源は、1963年5月に設立されたフェスティバル・マニュファクチャリング(FMC)である。FMCは1965年に、プレシジョン・エレクトロニクス(PEC)と社名変更した。このPECと松下電器産業(MEI、社名は当時)が1967年にフィリピンで合弁家電企業を設立した。当初、合弁企業名はPECだったが、25年後の1992年にマツシタ・エレクトリック・フィリピン(MEPCO)と変更された。さらに、2005年に現社名PMPCへと再変更された。すなわちパナソニックは、フィリピンで50 年以上もの長い歴史を有していることとなる。

 1983年1月にフィリピン証券取引所(PSE)に上場された。現在、PMPCは額面1ペソの普通株式を約4億2,272万株発行している。そのうち、フィリピン人のみが投資可能なA株8,472万株が上場されている。浮動株比率は15.76%。日本のパソニック本社のPMPC保有比率は、2014年9月末時点で79.96%である。パナソニック本社の保有するのはPMPCのB株である。

 PMPCのPSEでの11月18日終値は4.07ペソ。これをベースにすると、時価総額は17億ペソ(約41億円)である。PSE算出の株価収益率(PER)は約21倍。この1年間の高値は6.49ペソ、安値は3.37ペソである(パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンズの2014年度上半期事業報告書などより)。