比ファミリーマート出店加速、10月末70店に

2014/11/17

比パートナーSSIが11月7日にPSE新規上場

 

 昨年フィリピンに進出したファミリーマートの店舗網が順調に拡大している。

 ファミリーマートのフィリピン1号店は、2013年4月7日に、マニラ首都圏マカティ市アヤラセンターのショッピングモールグロリエッタ3の1階にオープンした。フィリピンに進出するに当 たっては、ファミリーマートは、伊藤忠商事、フィリピンのアヤラ・グループとルスタン・グループの折半合弁会社SIAL CVSリテイラーズ社(SIAL)とともに、フィリピンにおけるファミリーマート店舗の展開を目的に、「フィリピン ファミリーマート CVS社」(PFM)を、2012年11月29日に設立した。
 
 PEMの本社はマニラ首都圏マカティ市、当初資本金は2億7,700万ペソ(約6億3,000万円)、出資比率はSIAL60%、ファミリーマート37%、伊藤忠商事3%である。PFMは東南アジアにおいて、タイ、ベトナム、インドネシアに次ぐ4カ国目の現地法人である。

 すなわち、 フィリピンにおいては、 フィリピン最大規模の財閥で金融・不動産・通信・電機・水処理など幅広い事業を手掛けるアヤラ・グループと、フィリピンを代表する小売グループであるルス タン・グループの共同出資により設立されたSIALをパートナーとし、アヤラ・グループの持つ店舗物件情報や店舗開発に関する豊富なノウハウや、ルスタ ン・グループの持つフィリピン国内における小売業のノウハウなどを共有できるため、よりフィリピン国内に根差した店舗運営と早期の店舗展開が実現できるものと期待される。

 2014年10月末のフィリピンのファミリーマート数は70店に達し、昨年10月末の16店から4.4倍となっている。 2013年4月の初出店以降、店舗網が順調に拡大しているといえよう。ファミリーマートは先頃、これまで 5年間で300店としていた出店目標を500店に引き上げると表明した。現在の出店はマニラ首都圏に限られているが、今後はセブやミンダナオなど地方にも 積極出店する方針である。また、フランチャイズ展開も行うことで出店ピッチを高める意向である。

 なお、ルスタン・グループにおけるSIALへの直接の窓口であるSSIグループが11月7日に、フィリピン証券取引所(PSE)に新規上場された。この SSI新規上場も、フィリピンでのファミリーマート展開に弾みをつけることになるものと期待される。

 

フィリピンのファミリーマート店舗数推移(月末値

  2013年 2014年
時期 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
店舗数 16 23 31 33 39 40 41 45 46 51 56 63 70

(出所:ファミリーマート店舗情報などより作成)

 高成長が続くフィリピンのコンビニエンス・ストア業界は業界トップ(店舗数シェアで約46%)のセブン・イレブンをミニストップやマーキュリー・セルフサー ビスが追うという構図になっている。10月末の店舗数はセブン・イレブン1,183店(推定値)、ミニストップが441店(詳細は別掲)となっている(株式会社ファミリーマートのウエブサイトなどより)。

 

 フィリピンのブランドコンビ二エンス・ストア店舗数とシェア

  2010年末 11年末 12年末 13年末 13年シェア 14年3月末 6月末 9月末 10月末
セブン・イレブン 551 689 829 1,009 46% 1,049 1,121 1,169 1,183
マーキュリー・セルフ 287 345 606 680 31% N.A. N.A. N.A. N.A.
ミニストップ 332 327 337 386 18% 402 414 435 441
サンミゲル・フードショップ 13 25 60 63 3% N.A. N.A. N.A. N.A.
ファミリーマート - - - 31 1% 40 46 63 70
サークルK - - - 2 0% N.A. N.A. N.A. N.A.
合計 1,183 1,386 1,832 2172 100% N.A. N.A. N.A. N.A.
(出所:フィリピン・セブン資料などより作成、ミニストップ店舗数は日本側発表値、セブン・イレブンの7月末数値は推定値)