比トヨタ自動車快走続く、9カ月間で53%増益

2014/11/13

純利益49億ペソ、売上高33%増の772億ペソ
比トヨタ・ファイナンス金利収入31%増の18億ペソ

 

メトロバンク・グループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)がトヨタ車事業を強化しつつある。



 GTCAPは、トヨタ自動車のフィリピン拠点であるトヨタモーター・フィリピン(TMPC、所在地:ラグナ州サンタロサ市)の株式保有比率を51%に高めているほか、有力販社であるであるトヨタ・マニラベイ社(TMBC)やトヨタ・クバオ社(TCI)のマジョリティーを保有している。さらに、今年9月には、トヨタ・ファイナンシャル・サービス・フィリピン(TFSPC)株式40%を取得した。これらのトヨタ関連各社の業績が総じて好調に推移している。2014年9カ月間(1月~9月)の各社の動向は以下のとおり。

 <トヨタモーター・フィリピン(TMPC)>
 TMPCの売上高は前年同期比33%増の772億ペソ、純利益は同53%増の49億ペソと大幅増収増益決算であった。 同期間の販売台数は前年同期比43%増の7万6,631台で、フィリピン自動車工業会とトラック工業会加盟企業でのシェアは45.2%、 自動車輸入販売企業協会(AVID)加盟企業分を含む総販売台数ベースでのシェアは39.1%で、各々2位以下を大きく引き離している。

 積極的な新型モデル投入、販売店拡充(42から44拠点へ)、拡販策の奏功などによる増収効果に加え、円安もあって利益率が改善した。粗利益率は前年同期の12.9%から14.5%へ、営業利益率は同じく7.6%から8.6%へと改善した。その結果、上記のように純利益は53%の増加となった。

 TMPCは、2013年まで12年連続で、フィリピン自動車市場の三冠王(総販売台数、商用車販売台数、乗用車販売台数いずれもトップ)となった。上記のように、2014年の販売も一段と好調であり、 13年連続の三冠王達成、年間販売台数10万台乗せが期待される状況である。 

 なお、TMPCは、1988年にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立され、1989年から生産/販売を開始した。。現行資本金は約24億ペソ(約58億円)、出資比率はトヨタ自動車34%、 三井物産15%、メトロバンク・グループ(GTCAP)51%となっている。従業員数は2,017名(2013年12月末時点)に達している。
 
 現在、サブ・コンパクト・セダン「ヴィオス」や中型多目的車(MPV)「イノーバ」を現地生産しているほか、各種乗用車、商用車の輸入販売、国内向け部品販売、部品輸出などを手掛けている。また、販社「レクサス・マニラ」を通じて、ハイブリッド車を含む各種レクサス車の輸入販売を行っている。2009年1月に開業し今年5周年を迎えた「レクサス・マニラ」は三井物産との合弁企業であり、TMPCの出資比率は75%、三井物産の出資比率が25%となっている。

 フィリピンにおけるトヨタとレクサスのディーラーは44。TMPCが直接出資しているのはトヨタ・マカティ(出資比率100%)、トヨタ・サンフェルナンド・パンパンガ(同75%)、レクサス・マニラ(同75%)である。

 <販社トヨタ・マニラベイ社(TMBC)、トヨタ・クバオ社(TCI)>
 トヨタ・マニラベイ社(TMBC)の販売台数は前年同期比32%増の8,292台、売上高は同23%増の83億ペソへと二桁増加した。粗利益率が前年同期並みの6.9%であり、純利益は同22%増の9,840万ペソに達した、なお、TMBCはフィリピン最大のトヨタ車販売会社であり、トヨタ車販売シェアは約11%に達している。
 
 一方、トヨタ・クバオ社(TCI)の売上高も同20%増の37億ペソ、純利益は同35%増の2,390万ペソと二桁増収増益決算となった、TCIは1989年に設立されたトヨタ車販売の草分け的存在である。

 <トヨタ・ファイナンシャル・サービス・フィリピン(TFSPC)>
 トヨタ・ファイナンシャル・サービス・フィリピン(TFSPC)の月間平均ファイナンス契約台数は前年同期比51%増の1,879台へと大幅増加した。この結果、金利収入も同31%増の18億ペソへと大幅増加した。ただし、販管費増加、税負担増加、貸倒引当増加などにより、純利益は同8.4%減の3億0,490万ペソにとどまった(14年11月13日のフィリピン証券取引所回覧07183-2014号やGTキャピタル2014年第3四半期報告書などより)。