不動産ダブルドラゴン、9カ月間の純利益12倍に急増
2014/11/07
SMと共同で全国にモール出店へ、観光地ボラカイ島にも
利益目標:今年5.3億ペソ、16年10億ペソ、20年48億ペソ
今年4月にフィリピン証券取引所(PSE)に新規上昇した不動産企業「ダブルドラゴン・プロパティーズ」(ダブルドラゴン、DD)が、2014年9カ月間(1月~9月)の決算速報を発表した。
それによると、不動産開発事業が本格化しつつあることで、今年9カ月間の純利益は前年同期比1,065%増(約12倍)の3億3,780万ペソに達した。特に第3四半期(7月~9月)の純利益は1,536%増(約16倍)の2億5,380万ペソへと急増した。
DDは、ジョリビー・フーズ(JFC)創始者であり現会長であるトニー・タン・カクティオン氏と、2010年にJFCグループ入りしたバーべキュー・チェーン「マン・イナサル」創業者エドガー・シアⅡ氏によって保有されている不動産企業である。すなわち、ジョリビー・グループ企業といえる。そして、特に、ショッピング・モール事業に注力していく方針である。
そして、流通・不動産・金融コングロマリットであるSMグループの旗艦企業SMインベストメンツ(SMIC)と中小型モール事業で提携した。 SMICは、DDの100%子会社であるシティーモール・コマーシャルセン ター(CMCCI)に34%出資した。
「シティモール」は地域社会に根差す売り場面積 5千~1万平米の中小型モールであり、スーパーマーケット、小売り店、JFC傘下のジョリビー、マン・イナサル、チャウキン(中華)、レッド・リボン (ケーキ)、グリーンウイッチ(ピザ)などのファースト・フーズチェーン店などで構成される。
「シティモール」は、主にビサヤ地方やミンダナオ地方中心に展開、2014年に5都市、2015年末までに20都市、2020年までに100都市に出店する予定である。第1号店はビサヤ地方パナイ島カピス州の州都であるロハス市に出店される。すでに、1万2,654平米の用地を取得済みである。また、ルソン、ミンダナオ、ビサヤ各地で出店計画が進展しつつある。世界的な観光地であるボラカイ島でも出店用地手当てが行われている。
このモール事業離陸期入りなどでDDの業績は急上昇していく見込みである。DDは、2014年年間の純利益は一気に5億3,000万ペソを超え、2016年までに10億ペソ、2020年までに48億ペソに達すると予想している。
DDは、フィリピンの代表的急成長企業であるジョリビー・フーズ(JFC)のグループ企業であること、フィリピンの代表的なコングロマリットであるSMインベストメンツ(SMIC)とモール事業で提携したこと、今上半期が三桁増益決算で今後も業績が急向上していくと期待されることなどから、注目度が一段と高まっている(14年11月6日のフィリピン証券取引所回覧05813-2014号より)。