ココウェル、大型台風で倒壊の椰子を食器や雑貨に

2014/10/23

フィリピンの被災農家支援、ヨランダ襲来1周年に発売

 

 ココナッツ製品の輸入販売および製品開発企業であるココウェル(本社:大阪市)は、2013年11月に発生したフィリピンの超大型台風「ヨランダ」被害からの復興支援活動の一環として、今年3月にスタートした「ココウッドプロジェクト」の第1号製品を「COCO no Ki(ココの木)」ブランドとして、台風ヨランダから1年を経た2014年11月8日に新発売する。

 フィリピン中部に上陸した台風ヨランダ(台風30号)は、多くの死者や被災者を出すなど甚大な被害をもたらした。フィリピンの農業経済を支えるココナッツもフィリピン全土のココナッツの10パーセントに相当する約3400万本が倒れ、多くの農家が生活の糧を失った。ココナッツ産業が以前の水準に戻るまで には数年を要すると予測されており、被災した農家への継続的な支援が求められている。

 ココウェルは、直後の2013年11月10日から実施している支援活動に加え、被災農家を継続的に支援するために、台風で倒れたココナッツの木を再利用して、食器や雑貨を作る「ココウッドプロジェクト」を2014年3月にスタートさせた。

 ココナッツの木からは捨てるところがないほどさまざまな製品が生み出され、昔から1本の木で一家族が生活できるといわれるほどココナッツは生産性が高い植物である。とはいえ、ココナッツ農家の人たち自身が、ココナッツの木で食器や雑貨などを作ることはごく稀である。「ココウッドプロジェクト」では、倒れたココナッツの木をカットし、一部は木材として販売し、根に近い堅い部分をいったん乾燥させてから、手作業で削って製品を作りる。被災農家から希望者を募り、チェーンソーや加工機械など製造に必要な機械をココウェルが提供し、DTI(貿易産業省)の協力のもと数か月に及ぶ技術トレーニングを行った。技術を 磨き、多くの試行錯誤を経て、ココナッツの木の堅くて水はけの良い特徴を生かした、落ち着いた風合いのカトラリーや食器、雑貨のブランド「COCO no Ki」が生まれた。

 11月8日から販売を開始する「COCO no Ki」は、箸、スプーン、フォークなどのカトラリー、皿、お椀などの食器や雑貨類8アイテム。今後は、カトラリーの種類を増やし、またアクセサリーにも展 開していく予定である。なお、利益のうち50%がココウッドプロジェクトに参加する農家の収入になる。

<「COCO no Ki」 概要>
・ブランド名: COCO no Ki (ココの木)
・発売日: 11月8日(土)
・商品アイテム :箸(700円)、スプーン、フォーク、ナイフ(中)各700円、スプーン、フォーク(小) 各500円
           皿(直径21cm)2,000円、椀(直径17.5cm 深さ 3.5cm)2,000円(以上、全て税別)
・ホームページ: http://www.cocowell.co.jp/coconoki/
・販売チャネル:雑貨店、フェアトレード店など 、ココウェルのホームページからご購入可能

<ココウッドプロジェクト>
 現地の人々の雇用創出のためにココナッツの木を有効活用するプロジェクト。手始めに、台風で倒れた木を使って、お箸やスプーン、フォークなどのカトラリーの製造をスタート。依頼を受けたココナッツ農家の倒木をカットし、一部は木材として販売して農家の収入に充当し、残りは新しいココナッツの苗と交換す る。残りの根に近い堅い部分をいったん乾燥させてから手作業で削って箸やスプーンなどを作り、最後にココナッツオイルを塗り込んで最終加工を行い製品が完 成する。プロジェクトスタート時には2つの村から約30の農家が参加している。今後、製品のバリエーションを増やしていき、被災農家の安定雇用につなげる ことを目標としている(14年10月22日の株式会社ココウェルのニュースリリースより)。