サンミゲル、証券取引所(PSE)筆頭株主の座維持

2014/10/21

債券・為替取引所(PDS)の主要株主にも名を連ねる

 

 フィリピン証券取引所(PSE)はこのほど、2014年9月末のPSE主要株主名簿を発表した。PSE自身もPSEに上場(上場日は2003年12月15日)にしており、他の上場企業と同様な情報公開義務がある。

 2014年9月末時点でのPSE株主名簿の1位(筆頭株主) とその保有比率は、サンミゲル退職プランで10.30%となっている。第2位はファースト・リソース・マネジメント&セキュリティーズの9.76%、第3位はバンコ・デ・オロ・トラストバンキング・グループと GSIS(公務員年金保障基金)の各々9.10%、第5位がラッキー・セキュリティーズ5.11%、第6位が香港上海バンク顧客口座4.77%、第7位が ドイチェバンク・マニラ支店顧客口座2.98%、第8位がDWキャピタル1.67%、第9位がシティバンク1.24%、第10位が香港上海バンク顧客口座 (6位とは別口座)1.10%と続く。

 なお、サンミゲル退職プランは、2年半以上にわたってPSE株式を10.3%以上保有、単独筆頭株主の座を維持している。サンミゲル退職プラン以外で個別名称が記されていない分なども含めると、サンミゲル・グループのPSE保有比率は10.30%よりかなり高いとの見方もある。

 現在フィリピンでは、株式や株式に絡んだ派生商品(ワラントなど)の上場、売買はフィリピン証券取引所(PSE)が管轄している。一方、債券や固定利付き商品の上場、売買、外国為替取引に関しては、フィリピン・デーリング・システム・ホールディングス社(PDS)傘下の電子取引所(PDEx)などが担当している。

 現在のPDSの株主構成は、フィリピン銀行協会(BAP)28.9%、PSE21%、シンガポール証券取引所(SGX)20%、タタ・コンサルタンシーサービス(TCS)アジア8.0%、コンピューターシェア・テクノロジー8.0%、サンミゲル4.0%、フィリピン・アメリカンライフ&ジェネラルインシュアランス(フィーラム・ライフ)4%などである。

 なお、昨年ごろからPSEとPDS合併等による金融取引統合化構想が浮上しているが、双方とも株主構成が多様であることもあって、その交渉には時間がかかっている。

 しかし、このほど、PSEが銀行協会(BAP)の保有するPDS株式28.9%を取得することで合意、PSEとBAPの間で売買条件概要書に署名が行われた。この売買が実現するだけで、PSEのPDS保有比率は49.9%に高まる。PSEは他の株主からもPDS株式を取得し、PDSを子会社化、ひいては金融取引統合化を計画している。

 このような金融取引統合化の動きの中で、サンミゲルは上記のように、株式、債券、外国為替など金融取引各機関の主要株主となっていることが注目される(フィリピン証券取引所ウエブサイトなどより)。