エプソンの衣料用プリンター、比アパレル業界に貢献
2014/10/15
アジア最有力デザイナーが忠実な表現性などを絶賛
トルコでの山本寛斎氏ファッションショーでも活躍
セイコーエプソン(エプソン)のフィリピンにおける販売・サービス拠点はエプソン・フィリピン(EPC)である。このEPCは、6月9日に、Tシャツに直接プリントできるガーメント(衣料)プリンター「SC-F2000」を発売した。
「SC-F2000」は、一般家庭やプロフェッショナルフォト分野での写真印刷をはじめとして、サイン・デザイン業界でも信頼を集め、昨今は布地に柄などをプリントするテキスタイル印刷などの捺染分野 でも注目を集めているエプソンのインクジェット技術を、Tシャツやポロシャツなどのウェアプリント業務向けのプリンターとして応用し、新たに投入したもの である。
ウェアプリント業務においては、学校の行事用で使うTシャツやクールビズを背景とした企業向けポロシャツ、イベント用Tシャツや販促用小物など、オリジナル商品に対する要望の増加により、必要なときに必要な量を安価に、短納期でプリントしたいというニーズが高まっている。
また、競合店との差別化を図るために、プリントの品質にも表現力が求められている。従来のシルクスクリーン印刷工程では、製版やインキの調合など印刷準 備やメンテナンスに時間を要し、作業にあたっては専門の熟練工を必要とするため、小ロット印刷を短納期・低コストで対応するのは困難であった。また、写真などの階調表現に必要な多色プリントは手間とコストがかかっていた。
「SC-F2000」は、これまでエプソンがインクジェットプリンターで培った高い技術を応用し、多色を使ったイラストや写真の表現もフルカラーで高画質プリントが可能で、本体・プリントヘッドの高い耐久性を実現した、安心かつ使いやすいガーメントプリンターである。パソコンからデジタルデータをTシャ ツ・ポロシャツなどの綿衣類やトートバックに直接プリントするので製版の必要がなく、短納期で生産が可能となり、小ロットの場合でも低コストでプリントで きる。
EPCは、スポーツアパレル、ソフトサイン用途向け昇華転写プリンター「SC-F7100」も投入。「SC-F7100」は、昇華型インクで転写紙に印刷し、熱を加えインクを気化させて転写することでポリエステル生地に色材を定着させる昇華転写方式のプリンターである。印刷の際に版が不要なデジタル方式のため、印刷工程もシンプルで多品種少量印刷に適している。
プリントヘッド、インクをはじめとしたハードウェアを昇華転写専用に最適化したことで、安定稼働に貢献する高い信頼性を実現した。また、美しいグラ デーションや写真などの階調表現が必要とされるデザインも高画質に印刷が可能で、スポーツウェアなどのアパレルや垂れ幕、宣伝用ののぼり旗など幅広い用途で利用できる。
このエプソンの「SC-F2000」や「SC-F7100」がフィリピンのアパレル、ファッション業界に大きく貢献しつつある。これらは、既にフィリピンの有名ファッション・ブランドである 「Avel Bacudio」、「Conspicuous Swimwear」、「Ziya」、「Empire」などの作成に利用されている。
2014年アジア最有力デザイナーに選出されたAvel Bacudio.は「エプソンの衣料用プリンターの表現力の高さは称賛に値する。オリジナル・デザインを忠実に再現しており、このプリンターによる作品が ファッションショーの舞台に現れる時は感動と興奮を禁じ得ない」とコメントしている。他の有力デザイナーも表現力に高さなどを称賛している。
なおエプソンは、10月11日にトルコのイスタンブールで開催の山本寛斎氏のファッションショー「HELLO ISTANBUL!!」をサポート。このファッションショーは、日本とトルコの国交樹立90周年を記念するもので、800平米にもおよぶポリエステルやナイロン、綿などの生地に、山本寛斎氏による約15点のデザインをインクジェットデジタル捺染・昇華転写技術でプリントし提供。
日本の伝統的なデザインと近代的なスタイルとを融合させた山本寛斎氏の素晴らしい作品は、エプソンとイタリアのロブステリ社が共同開発したインクジェットデジタル捺染印刷機「モナリザ」およびインクジェットデジタル捺染印刷機「 FP-30160」、昇華転写プリンター「SC-F7100」によってプリント。これらエプソン独自のインクジェットプリンターによって、アナログ印刷では実現することが困難な、忠実な色再現と細 部にまでわたる複雑なデザイン表現が可能となっている。日本の伝統的な美が、最新技術によって再構成されている(エプソン・フィリピンやセイコーフィリピ ンのウエブサイトなどより)。