S&P、フィリピンの大企業の負債が高水準と指摘

2014/10/08

対EBITDA比率アセアン最悪、サンミゲル等を注視

 

 米国系有力格付機関であるスタンダード&プアーズ(S&P)は、サンミゲル、ぺトロン、PALホールディングス、ロペス・ホールディングスなどフィリピンのコングロマリットや持株会社の負債残高が高水準であると指摘した。

 S&Pはこれらの企業の負債、特に短期負債が急増しており、負債対EBITDA(税金・利払い・償却前利益)比率は、東南アジアの同業の中で最悪であると指摘している。サンミゲルは、フィリピン航空グループの49%を売却したことで一時的に負債を減少させたが、英国の有力スナックメーカーであるユナイティッド・ビスケット(UB)の買収を計画するなど、負債が本格的に削減していく可能性は薄いとも見ている。

 なお、昨年、国際通貨基金(IMF)もフィリピン・レポート2013年4月号において「銀行が一部のコングロマリットに高水準の融資を行っている。非常に高水準の借入による一部コングロマリットの債務不履行の可能性を完全には否定することはできない」と警告した。このIMFレポートを受けて、現地紙が、サンミゲルに債務不履行の可能性があるかのような記事を掲載したことで、サンミゲルの株価が急落することもあった。