イスラム系過激派武装組織によるテロ等の脅威

2014/09/25

アブサヤフ等がイスラム国と連携の動き
在フィリピン日本国大使館が注意喚起

 

在フィリピン日本国大使館領事班は9月26日に、イスラム系過激派武装組織によるテロ等の脅威に関する注意喚起を行った。その概要は以下のとおり。



1.報道等によれば、9月24日、フィリピン南部のイスラム系過激派組織「アブ・サヤフ・グループ(ASG)」は、15日以内に、ドイツ政府がドイツ人の解放と引き替えに身代金2億5,000万ペソを支払わず、また、米国のイスラム国(ISIL)空爆に対する支援を止めないのであれば、4月にパラワン諸島海域で人質に取ったドイツ人を殺害すると警告した。


 
2.これは、9月24日付外務省広域情報「イスラム過激派組織による脅迫メッセージ発出に伴う注意喚起」にもあるとおり、9月22日(日本時間)、シリア・イラクにおいて活動するイスラム過激派武装組織イラクとレバントのイスラム国(ISIL)が、米国を始めとする「連合」によるISILへの攻撃を批判し、米国、フランス、オーストラリア、カナダを始めとする対ISIL連合諸国の国民を軍人、民間人問わず攻撃するよう扇動する声明を関係する武装組織に発出していることから、同声明を受けて、今回の行動を起こした可能性も考えられる。

3.また、フィリピンのイスラム過激派武装勢力「バンサモロ・イスラム自由戦士団(BIFF)」は、インターネットのSNSを通じ、イスラム国(ISIL)と恒常的に連絡を取り、ISILと同盟を結んだとも主張しており、今後、主にミンダナオ地方を中心に、ASGまたはBIFF等の過激派武装組織による外国人誘拐、テロ活動等が活発化するおそれがある。

4.ついては、今後、フィリピンへの渡航・滞在予定者方及び滞在者は、以上の状況に十分注意し、誘拐、テロ事件や不測の事態に巻き込まれることのないよう、最新の関連情報の入手に努められたし。公共の場所に滞在する際や交通機関利用時には周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場を離れるなど安全確保に十分注意を払われたし。

5.なお、テロ・誘拐対策に関しては、以下も併せて参照されたし。
(1)日頃から現地治安情勢の収集に努める。
(2)外国人は裕福であると常に思われていることを念頭に、ターゲットにされないよう慎重な行動を心がける。
(3)行動予定等を不特定多数の人間に言ってまわったり、知られたりしないよう心がけ、不用意に身辺情報を流さない。
(4)毎日の行動がパターン化しないよう注意する。
(5)単独での行動は避け、外出する場合には、周囲に不審者、不審車両がいないか確認し、尾行や監視がないか常に注意する。
(6)テロの標的となり得るような治安機関等に加え、不特定多数の人が集まる場所(公共施設、レストラン、ショッピングモール、ナイト・クラブ等)に近づかない(14年9月25日の 在フィリピン日本大使館発表より)。