日本郵船のフィリピン商船大学、卓越した実績
2014/09/25
統一テスト上位独占の第四期生107人が卒業、
幹部候補として質の高い海上輸送に貢献へ
日本郵船がフィリピンのトランスナショナル・ダイバーシファイド・グループ(TDG)と共同運営する商船大学NYK- TDG マリタイムアカデミー (NTMA)の第四期生107人の卒業式典が9月22日、マニラ近郊カランバ市カンルーバンの同校で行われた。第四期生は2010年に入学し、3年間の基 礎教育や操船シミュレーター、エンジンプラントなどを用いた訓練の後、日本郵船訓練船で1年間の乗船実習を行ってきた
式典には、フィリピン海事産業庁のマキシモ・メヒア長官など多数の来賓を迎え、TDGのロベルトC.デルガド会長、日本郵船からは宮原耕治代表取締役会長が出席した。宮原会長は、「諸君がこれから身を投じる海運業界では、急速に変化し拡大し続ける世界経済に対応できる、高度な訓練による安全技術と専門知識を兼ね備えた船員が必要とされている。諸君がNTMAを卒業した後も学習を怠らず自己研鑽を重ね、NTMA第一期生から続く諸君の先輩達を手本とし、立派な航海士や機関士に成長することを期待している」との激励の言葉を贈った。
NTMAは、日本グループが日本で培ってきた船員育成の経験に加え、フィリピンの状況に合わせた基礎学力を向上させる独自プログラムを採用し、質の高い船員の育成を図っている。
第四期生は、第一、二、三期生に引き続いて、フィリピン船員教育機関の統一テストの結果で、上位をほぼ独占しただけでなく、現在行われている海技資格試験でも順調に合格の実績を積み上げている。卒業生は海技免状取得後、当社グループが所有する運航船に三等航海士・三等機関士として配乗され、日本郵船グループの育成プログラムを経て、あらゆる船種において船長・機関長を目指していく。
NTMAは2007年6月に、日本郵船の創業120周年記念事業の一環として、マニラ近郊カンルーバン市開校された。「フィリピン高等教育庁」の認可を 取得した正式な大学であり、3年間の講習と1年間の乗船実習の全寮制の4年制商船大学である。 一学年の定員は、航海科と機関科、夫々90名の計180名、講師は約50人。理念として、「学生個々の人格形成と実践的な海事技術の習得を中心にした世界 に通用する船員の高等教育を行う」と掲げられている。
なお提携先のTDGは、1976年に現会長のデルガド氏により設立された企業グループで、船舶の代理店業と船員供給・教育事業に加えて、航空事業や物流事業を行う。日本郵船とは、設立時の1976年から協力関係にある(14年9月24日の日本郵船株式会社ニュースリリースより)。