7カ月間のOFW送金6.4%増の150億ドル

2014/09/15

うち銀行経由分は5.8%増の135億ドルに
日本から9.8%増の5億6千万ドル、国別6位

 

 フィリピン中央銀行(BSP)によると、2014年7月のフィリピン人海外就労者(OFW)からの本国送金額(銀行経由の現金送金額)は20億6,300万米ドル(速報値)と前年同月に比べ6.0%増加した。また前月比では0.6%の増加であった。一方、日本からのOFW送金額は前月比0.2%減の8,645万ドルとほぼ横ばいであった。



 14年年初7カ月間(1~7月)の累計OFW送金額(銀行経由の現金送金額)は前年同期比5.8%増の134億8,500万米ドル。そのうち、陸上ベースのOFWからの送金は前年同期比5.0%増の102億5,200万米ドル、海上ベースのOFWからの送金は8.5%増の32億3,200万米ドルであった。 なお、この統計におけるOFW送金額は中央銀行が把握している公式銀行ルートによるものである。

 送金元の国別動向については、1位が米国で前年同期比1.3%増の56億1,500万米ドル(シェア41.6%)、2位サウジアラビアの33.1%増の 13億7,300万米ドル(10.2%)、3位アラブ首長国連邦(AUE)の44.1%増の9億1,700万米ドル(6.8%)、4位英国の13.2増の7億8,300万米ドル(5.8%)、5位シンガポールの14.4%増の6億7,200万米ドル(5.0%)、6位日本の9.8%増の5億6,100万米 ドル(4.2%)、7位カナダの33.7%減の3億8,200万米ドル(2.8%)、8位香港の23.0%増の3億6,600万米ドル(2.7%)など。

 フィリピン海外雇用管理局(POEA)の最新資料によると、2014年年初7カ月間に認可された求人は、54万0,037人。そのうちの41.1%は処理済。主にサービス業、製造業、専門職、技術系の職種で、主要ホスト国は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、台湾、クウェート、カタールなどである。

 依然として根強いOFW需要のほか、銀行やノンバンク系送金機関の継続的なネットワーク拡大、送金市場における金融商品の革新等がOFW送金の成長に寄与している。



         海外フィリピン人労働者(OFW)からの銀行経由送金額推移(単位:百万米ドル)

項目 年間推移 1~7月
09年 10年 11年 12年 13年 13年 14年 伸び率(%)
送金額 17,348 18,763 20,117 21,391 22,968 12,746 13,485 5.8
日本から 774 883 914 1,010 904 511 561 9.8




       月別海外フィリピン人労働者(OFW)からの銀行経由送金額推移(単位:百万ドル、%)

13年 14年
7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
送金額 1,946 1,938 1,953 2,079 2,080 2,173 1,799 1,796 1,883 1,914 1,980 2,050 2,063
対前年同月伸率 7.6 7.9 6.2 7.9 8.4 10.0 5.9 5.6 6.5 5.2 5.4 5.9 6.0

(注:13年は改定値、14年は速報値)


 国際通貨基金(IMF)の「国際収支国際投資ポジションマニュアル」(BPM第6版)に準拠した包括的OFW送金データ(銀行経由現金送金+帰国時持参分+非現金型資産贈与含む)によると、7月の包括的OFW送金額(速報値)は前年同月比7.1%増の22億8,400万米ドル、7カ月累計では前年同期比6.4%増の149億5,800万米ドル。当然のことながら、従来からの公表データである銀行経由分のみの送金額を上回っている(14年9月15日のフィリピン中央銀行発表などより)。


          包括的OFW送金額(単位:百万米ドル)

項目 年間推移 1~7月
09年 10年 11年 12年 13年 13年 14年 伸び率(%)
送金額 19,078 20,563 21,922 23,352 25,351 14,063 14,958 6.4




         月別包括的OFW送金額推移(単位:百万ドル、%)

13年 14年
7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
送金額 2,132 2,122 2,155 2,300 2,305 2,405 2,002 1,994 2,089 2,124 2,195 2,270 2,284
対前年同月伸率 8.4 8.6 7.7 9.7 10.4 13.4 6.8 6.0 6.9 5.2 5.5 7.0 7.1

(出所: フィリピン中央銀行資料より作成、13年は改定値、14年は速報値)