7月の失業率6.7%に改善(前年同月7.3%)

2014/09/10

首都圏10.3%で最悪、失業者の半分が若年層

 

 フィリピン国家統計局は9月10日、2014年7月の失業率(速報値:2000年国勢調査に基づいた人口予測を 使って算出)を発表した。2013年11月8日の台風30号(フィリピン名:ヨランダ)で大規模に被災したレイテ州のデータは除外された。


  14年7月の失業率は6.7%となり、前年同月の7.3%から0.6%ポイント改善した。15歳以上の人口(2000年国勢調査基準)6,407万人で、労働力参加率は64.4%であった。就業者数は前年同月比2.8%増の3,845万1千人、失業者数は6.2%減の277万8千人。就業率は93.3%で前年同月の92.7%から0.6%ポイント上昇した。

 就業者3,845万1千人のうち、農業部門が30.1%、鉱工業部門が15.9%、サービス部門が54.0%を占める。就業形態は、賃金労働者が労働者全体の 58.4%(前年同月58.3%)、そのうち民間企業労働者は44.8%(同44.8%)を占めた。自営・事業主は31.3%(同31.6%)、無給家庭 内労働者が10.4%(同10.1%)であった。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の62.7%(同65.0%)を占めた。

 不完全就業者(就業者であっても十分な労働時間に満たず追加の仕事を求めているパートタイム労働者)数は前年同月比1.7%減の705万人(不完全就業率は18.3%)。
 
 失業者数277万8千人のうち、15歳~24歳の失業者の割合は49.3%(前年同月48.8%)で若者の失業者の多さが目立つ。次いで25歳~34歳 が30.8%(同29.4%)。また学歴別では、大学進学・卒業者の失業者の割合は36.4%(卒業者は23.2%)、中学校進学・卒業者は42.9% (卒業者は32.1%)。性別では男性63.3%、女性36.7%。

 地域別で失業率が最も高いのはマニラ首都圏(10.3%)、次いで中央ルソン地方(8.3%)。失業率が最も低かったのは、サンボアンガ半島で3.2%。不完全就業率が高いのは東ビサヤ地方35.7%)、最も低いのはマニラ首都圏(9.5%)。

 当地では、雇用統計は1月、4月、7月、10月と毎年4回発表 されるが、今回2014年1月の労働雇用率、失業率等が算出された。昨年11月8日の超大型台風30号による大規模な被災からまだ復興していないレイテ州はは除外された。また、比較対象となるよう2013年7月のデータからも同地域が除外された。

 当地では10月は年末年始商戦に向けての一時的就業者増加効果で失業率が低下傾向となる。一方、4月は新卒者の労働市場参入により労働力人口が増加する ことで失業率が上昇しがちである。このように、季節的要因で失業率が季節毎に大きく変動することから、前年同月との比較でないとあまり意味をなさない (14年9月10日のフィリピン国家統計局発表より)。

 フィリピンの雇用・失業者動向(単位:千人)

項目  新基準の失業率など
年月  14年7月
除レイテ州
13年7月
除レイテ州
13年7月
含レイテ州
15歳以上人口 64,070 63,180 64,470
労働力参加率 64.4% 63.9% 63.9%
就業者数 38,451 37,390 -
就業率 93.3% 92.7% 92.7%
失業者数 2,778 2,961 -
失業率 6.7% 7.3% 7.3%
不完全就業者数 7,050 7,169 -
不完全就業率 18.3% 19.2% 19.2%

(出所・国家統計局資料より作成)

 14年7月の地域別就業率・失業率の比較(単位:千人、%)

地域 15歳以上人口 労働力参加率 就業率 失業率 不完全就業率
マニラ首都圏 8,205 64.5 89.7 10.3 9.5
コルディリェラ行政地域 1,165 67.5 95.2 4.8 15.3
1-イロコス 3,558 61.2 92.2 7.8 16.1
2-カガヤンバレー 2,310 66.3 96.0 4.0 11.8
3-中央ルソン 7,149 62.2 91.7 8.3 13.5
4A-カラバルソン 8,472 65.6 92.0 8.0 20.1
4B-ミマロパ 2,002 68.3 95.9 4.1 18.6
5-ビコール 3,916 62.0 93.5 6.5 31.2
6-西ビサヤ 5,265 64.3 94.0 6.0 22.8
7-中央ビサヤ 4,974 66.4 94.1 5.9 15.3
8-東ビサヤ 1,710 64.4 94.5 5.5 35.7
9-サンボアンガ半島 2,265 65.4 96.8 3.2 17.3
10-北ミンダナオ 3,054 68.0 94.7 5.3 22.2
11-ダバオ地域 3,140 65.0 93.8 6.2 20.2
12-ソックサルジェン 2,754 64.8 95.8 4.2 21.5
カラガ 1,772 66.8 94.4 5.6 26.3
ミンダナオ・イスラム教徒自治区 2,357 54.2 96.1 3.9 12.1
           
フィリピン全体 64,070 64.4 93.3 6.7 18.3
 (出所・国家統計局資料より作成、14年7月は速報値 第8地域にレイテ州は含まれていない)