比セブン・イレブン、8月末に1,150店突破
2014/09/03
2位に大差、ツナマヨむすび等日本食も発売
フィリピンでコンビニエンス・ストアの普及が本格化しつつある。現在は業界首位のセブンイレブンをマーキュリー・セルフサービスやミニストップが追うという構図になっている。そして、ファミリーマートが昨年進出、ローソンも6月13日に「フィリピンに進出する。 2014年に1号店オープン予定」と発表した。
このような状況下において、業界トップのセブンイレブンが急ピッチで店舗網を拡充させていることが目立つ。後続コンビニも追撃を図ろうとしているが、セブンイレブンの動きが早く、現時点では店舗数の差が拡大傾向にある。
フィリピンのセブン・イ レブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが51.56%を所有(2014年3月末現在)するフィリピン・セブン社 (PSC)によって運営されている。 PSCは1982年11月に設立され、同年12月に米国テキサス州ダラスのサウスランド社(その後セブン・イレブン 社に社名変更)からフィリピンでのセブン・イレブン運営ライセンスを獲得。1998年2月4日に、フィリピン証券取引所(PSE)に上場した。
フィリピンでのセブン・イレブン第1号店は、1984年2月にケソン市エドサ通り沿いにオープンした。当初の出店ピッチは鈍かったが、2000年の小売 業界規制緩和を契機に下表のように出店ピッチが速まった。そして2013年年末には前年末比180店増、率にして22%増の1,009店となり、1千店の 大台を突破した。
2014年に入っても店舗数は順調に増加している。PSCのウエブサイトによると、8月末の店舗数は1,150店(速報推定値)に達している。そして、 2014年年末までに1,300店体制とすることを目指している。一昨年央までは、店舗展開はルソン地域に限られていたが、ビサヤやミンダナオでも積極展 開する方針であり、一昨年7月31日にセブに初出店した。2013年末でセブ45店、バコロド9店となっている。セブでは早期に100店体制とする方針で ある。なお、最近、ツナマヨむすび、チキン照り焼きむすび、カリフォルニア巻きなど日本の米食系スナックの販売も開始した。
フィリピンのセブン・イレブン店舗数推移
時期 | 06年末 | 07年末 | 08年末 | 09年末 | 10年末 | 11年末 | 12年末 | 13年末 | 14年3月末 | 6月末 | 8月末 |
店舗数 | 287 | 311 | 368 | 447 | 551 | 689 | 829 | 1,009 | 1,049 | 1,121 | 1,150 |
(出所:フィリピン・セブンの年次報告書やウエブサイトなどから作成。2014年8月末は速報推定値)
PSCアニュアル・レ ポートによると、2013年末のフィリピンのブランドコンビニエンス・ストアの総店舗数は前年末比19%増の2,172店。シェアはセブンイレブン 46%、ミニストップ18%、マーキュリー31%、サンミゲル・フードショップ2%となっている。そして、昨年4月にはファミリーマートも進出、急ピッチ で店舗網を拡充しつつある。 将来はシェア30%を目指すとも表明している。サークルKも出店したとのことである。
上記のように、8月末のフィリピンでのセブンイレブン店舗数は1,150店、ミニストップは423店(7月末)、ファミリーマートは51店(7月末)と なっている。今後は、ローソンも進出、フィリピンのコンビニエンス・ストア店舗数拡大に拍車がかかりそうである(フィリピン・セブンのウエブサイトや年次 報告書などより)。