グローブが新海底ケーブルに8千万ドル、NEC受注

2014/08/31

米国5社等と東南アジア⇔米国直通、総事業費2.5億ドル
フィリピン~インドネシア~グアム~ハワイ~米国本土

 

 日本電気(NEC)は、東南アジアと米国本土を結ぶ大容量光海底ケーブル「SEA-US(Southeast Asia-United States、シーユーエス)」の建設請負契約を締結した。このケーブルの稼働開始時期は2016年の予定である。


 「SEA-US」は、フィリピン・インドネシアからグアム・ハワイを経由して米国本土に至る総延長約1万5,000kmの光海底ケーブルで、東南アジア・米国のグローバル通信事業者7社からなる「SEA-US」コンソーシアムとNECの間で建設契約を締結した。このケーブルは、毎秒100ギガビット(100Gbps)となる最新の光波長多重方式に対応しており、最大容量毎秒20テラビット(20Tbps)の伝送が可能となる。

「SEA-US」コンソーシアムメンバーは以下のとおり。
グローブ テレコム (フィリピン・マニラ)
PT. Telekomunikasi Indonesia International (Telin、インドネシア・ジャカルタ)
Telkom USA (米国・カリフォルニア)
RAM Telecom International, Inc (RTI、米国・カリフォルニア)
Teleguam Holdings (GTA、米国・グアム)
Hawaiian Telecom Holdco, Inc (HTEL、米国・ハワイ)
GTI Corporation (米国・カリフォルニア)

 現在、東南アジアと米国を結ぶ国際通信の多くは日本を経由しているが、東南アジア経済の成長に伴い米国との通信容量が急増しており、遅延や回線の繋がりにくさが顕在化している。このため、両地域を直接結ぶ新たな大容量光海底ケーブルの新設が求められていた。

 敷設を開始する「SEA-US」はこのようなニーズに応えるもので、東南アジア~米国本土間を直接結ぶ光海底ケーブルとしては最大の通信容量を有し、今後も増加が予想される両地域間の通信需要に対応する。「SEA-US」の事業費は2億5,000万米ドル、グローブ・テレコムの投資額は8,000万米ドルと予定されている。

 なお、NECは、過去30年以上にわたり海底ケーブルシステム事業を手掛ける海底ケーブルのトップベンダーで、地球5周分のべ20万kmを超える敷設実績があり、日本を含むアジア・太平洋地域で強みを有している。NECは今回の受注について、これまでの納入実績に加え、最先端の技術力、およびプロジェクト遂行力が高く評価されたと考えている。今後も海底ケーブルシステムを含めた通信インフラ整備事業をグローバルに拡大していく方針である(14年8月29日の日本電気株式会社ニュースリリースなどより)。