比マクドナルド、上半期売上高19%増の90億ペソ

2014/08/27

 コスト上昇などで純利益15%減の3億2千万ペソ
店舗数12%増の422店、首位ジョリビーの半分

 

 フィリピンのマクドナルド・チェーンは、当地の有力持株会社アライアンス・グローバル・グループ(AGI)子会社のゴールデンアーチス・デベロップメント傘下のマクドナルド・フィリピン(比マクドナルド)によって展開されている。第1号店は1981年にオープンした。

  このほど発表された AGIの2014年上半期(1月~6月)報告書において、比マクドナルドの業績動向が記載されている。それによると、今上半期の比マクドナルドの売上高は 前年同期比19%増の89億8,000万ペソに達した。47店の新店効果、33店でのサービス拡大(営業時間拡大やデリバリーサービス開始など)、積極的な宣伝や拡販策の効果顕在化などにより二桁増収となった。

 しかし、原材料、運送費、人件費などの上昇、在庫コストの上昇、広告宣伝費増加などにより販売・サービスコストが23%上昇した。これらの結果、純利益は3億2,200万ペソにとどまり、前年同期の3億8,000万ペソから15%の減少となった。なお、、中国での期間切れ鶏肉使用問題に関しては、「中国 産も含め輸入鶏肉は一切使用していない。フィリピン産鶏肉のみ使用している」と表明済みである。

 2014年6月末の比マクドナルド店舗数は422店で、前年同月末の377店から45店増加(新規出店-閉鎖)、率にして12%増加した。一方、業界 トップのジョリビーの国内店舗数は839店で、前年同月末の791店から48店増加した。ジョリビーの店舗数は、マクドナルド・フィリピンの約2倍であり、その差はなかなか縮小せず、むしろ拡大傾向にある。グループ企業であるバーガー・キング38店を加えればその差はさらに拡大する。

 フィリピンは、マクドナルドがハンバーガー市場でトップになれない唯一の主要国でもある。フィリピンのハンバーガー市場ではジョリビーが断トツであり、 フィリピンの国民食とまで称されそのシェアは50%と見られている。ジョリビーはフィリピン最大のファストフード企業ジョリビー・フーズ(JFC)によっ て運営されている。

 ちなみに、2014年6月末のJFCのフィリピン国内店舗数は2,244店に達している。内訳はハンバーガーのジョリビー839店、中華のチャウキン406店、ピザのグリーンウイッチ207店、ケーキ・ベーカリーのレッドリボン298店、鶏肉・バーべキューのマン・イナサル456店、バーガー・キング38店となっている。

 一方、海外店舗数は589店舗。そのうち、中国ではファースト・フードチェーンのYongheキング(永和大王) が311店、粥チェーンの宏状元餐が43店、華南の牛肉麺チェーン三品王43店などとなっている。また、海外でのジョリビーは111店(ベトナム49店、 米国30店、ブルネイ12店、サウジ10店、カタール4店など)。これらを含むジョリビーフーズ・グループ 国内外総店舗数は2,833店舗に達している(アライアンス・グローバル・グループやジョリビー・フーズの2014年第2四半期事業報告書などより)。