比トヨタ自動車好調続く、上半期30%増益

2014/08/17

純利益30億ペソ、売上高29%増の489億ペソ

 

トヨタ自動車のフィリピン拠点であるトヨタモーター・フィリピン(TMPC、所在地:ラグナ州サンタロサ市)の業績が非常に好調に推移している。



 TMPC株式51%を保有するメトロバンク・グループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)は、2014年上半期(1月~6月)決算速報(詳細は別掲)においてト ヨタモーター・フィリピン(TMPC)の動向も説明している。

 それによると、TMPCの2014年上半期(1月~6月)の売上高は前年比29%増の489億ペソ、純利益は同30%増の29億8,000万ペソと二桁増収増益決算であった。 同期間の販売台数は前年同期比39%増の4万8,512台で、フィリピン自動車工業会とトラック工業会加盟企業でのシェアは44.5%、 自動車輸入販売企業協会(AVID)加盟企業分を含む総販売台数ベースでのシェアは38.4%で、各々2位以下を大きく引き離している。

 TMPCは今年1月に、新型カローラ・アルティス(カローラの東南アジア専用車)を発売した。2月には、新型「イノーバ」を発売するとともに、ダイハツのインドネシア子会社アストラ・ダイハツ・モーターで生産しているミニハッチバック車トヨタ「アギア(AGYA)」を、「ウィーゴ」ブランドで発売した。さらに、3月末にはサブコンパクト・ハッチバックカーである新型「ヤリス」を発売した。このような、積極的な新型モデル投入や拡販策の奏功などにより好業績を維持した。

 TMPCは、2013年まで12年連続で、フィリピン自動車市場の三冠王(総販売台数、商用車販売台数、乗用車販売台数いずれもトップ)となった。上記のように、2014年上半期の販売も一段と好調であり、 13年連続の三冠王達成、年間販売台数10万台乗せが期待される状況である。 

 ちなみに、7月の販売台数は前年同月比65%増の1万0,123台に達し、今年5月に記録した9,132台という月間記録を連続で更新した。そして、業界初の月間販売1万台突破を果たした。7カ月間の累計販売台数も前年同期比43%増の5万8,635台と大幅増加ペースとなっている。

 なお、TMPCは、1988年にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立され、1989年から生産/販売を開始した。。現行資本金は約24億ペソ(約58億円)、出資比率はトヨタ自動車34%、 三井物産15%、メトロバンク・グループ(GTCAP)51%となっている。従業員数は2,017名(2013年12月末時点)に達している。
 
 現在、サブ・コンパクト・セダン「ヴィオス」や中型多目的車(MPV)「イノーバ」を現地生産しているほか、各種乗用車、商用車の輸入販売、国内向け部品販売、部品輸出などを手掛けている。また、販社「レクサス・マニラ」を通じて、ハイブリッド車を含む各種レクサス車の輸入販売を行っている。2009年1月に開業し先頃5周年を迎えた「レクサス・マニラ」は三井物産との合弁企業であり、TMPCの出資比率は75%、三井物産の出資比率が25%となっている。

 2013年12月末時点で、フィリピンにおけるトヨタとレクサスのディーラーは42、そのうち、17がマニラ首都圏に立地している。TMPCが直接出資しているのはトヨタ・マカティ(出資比率100%)、トヨタ・サンフェルナンド・パンパンガ(同75%)、レクサス・マニラ(同75%)である(14年8月15日のフィリピン証券取引所回覧04454-2014号などより)。