3年ぶり0.25%利上げ、史上最低政策金利終焉
2014/07/31
インフレ対応策:31日の金融定例会議で決定
中央銀行(BSP)は、7月30日(木)に、2014年5回目の金融委員会(MB)定例会議を開催した。
このMB定例会議において、主要政策金利である翌日物金利の0.25%引き上げが決定された。これにより、翌日物借入金利は3.75%、翌日物貸出金利は5.75%へと引き上げられる。 2012年10月以来約1年9カ月間継続された史上最低水準(翌日物借入金利3.50%、翌日物貸出金利5.50%)に終止符を打つことになった。また、利上げは2011年5月以来、3年2カ月ぶりのことである。
今年に入り、インフレ率が4%台へと上昇したこと、マネー・サプライの大幅増加が続き市中流動性が高水準であること、米国の金融緩和縮小の動きなどを受 けて、3月と5月に預金準備率1%ずつの引上げ、6月には特別預金口座(SDA)金利を0.25%引上げ2.25%とするなど3回連続で金融引き締めの措 置が構じられてきた。
そして、最近のインフレ率が、政府の2014年インフレ目標の上限に近づきつつあることから、0.25%という小幅ながらも政策金利引き上げという最も インパクトのある引締め策実施が決定されたのである。今回は、預金準備率や特別預金口座金利は据え置かれた。
BSPも「引き続き、インフレ抑制のために物価や需要動向を注視していく。必要ならば、さらなる金融政策変更の用意はある」と表明した(14年7月31日のフィリピン中央銀行発表などより)。
政府のインフレ率目標と実績の推移(過去実績は2000年基準値)
2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012~14年 | 2015~16年 | |
インフレ目標 | 3.0~5.0% | 2.5~4.5% | 3.5~5.5% | 3.0~5.0% | 3.0~5.0% | 2.0~4.0% |
インフレ率実績 | 9.3% | 3.2% | 3.8% | 4.4% | - | - |
(出所:フィリピン中央銀行資料などより作成)