銀行の外資規制撤廃、競争力強化へ
2014/07/22
このほどフィリピンの銀行業界の外資自由化法案が成立、外資規制が撤廃され、外資の参入が自由化されることになった。
フィリピンでは、現在でも法的には外国銀行の参入は認められているが、実際には、運用規定により新たな本格参入が不可能な状況となっている。
フィリピンでは外資系銀行の国内参 入に関する規定(1994年施行)が制定されており、外資系金融機関は①フル・バンキング免許取得による支店開設、②新たに設立される銀行の60%(上 限)の株式取得、③既存銀行の60%(上限)の株式取得、のいずれかによってフィリピンへの参入が可能である。しかし、「新規に参入する外資系金融機関数 を10 行とする」との運用規定により、10行に到達した1999年以降は法律自体がモラトリアム状態となっている。したがって、法的には自由なものの、運用規定 により実際には参入不可能という状況が続いてきている。
7月22日付け各紙電子版によると、自由化法案の成立により、60%という出資比率上限や、10行までという外資系金融機関数制限がなくなり、外資100%出資銀行設立も可能になるとのことである。
外資規制撤廃に反対する声も少なくないが、政府や中央銀行は、ASEAN統合の動きの中で、参入障壁を撤廃し外国銀行の参入を可能にすることで、銀行業界の活性化や国内銀行の競争力強化を意図している。