6月末の比セブン・イレブン店舗、26%増の1,121店

2014/07/21

ミニストップ414店、ファミマ46店と大差、年内1,300店へ
 上半期9.8%増益に、第2四半期は24.6%増益へと回復

 

 フィリピンのセブン・イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが51.56%を所有(2014年6月末現在)するフィリピン・セブン社(PSC)によって運営されている。

 PSCは1982年11月に設立され、同年12月に米国テキサス州ダラスのサウスランド社(その後セブン・イレブン社に社名変更)からフィリピンでのセブン・イレブン運営ライセンスを獲得。1998年2月4日に、フィリピン証券取引所(PSE)に上場した。

 このPSCが、7月18日に、2014年度上半期(1月~6月)決算速報を発表した。それによると、今上半期の全店売上高は前年同期比14.5%増の 97億7,890万ペソ、商品売上高は同14.4%増の79億8,640万ペソ、営業利益は同9.8増の4億6,880万ペソ、純利益は同9.4%増の3 億2,390万ペソとなった。

 今上半期の業績は、一桁増益にとどまりこれまでの高成長にややブレーキが掛かったかたちとなった。しかし、前年同期には、①5月13日投票の中間総選挙に向けての特需があった、②前年第1四半期(1月~3月)には、主力商品の一つである煙草が大幅増税を控えての買い溜めで大幅増収であったという特殊要因 があり、今第1四半期はその反動で売上高の伸びが鈍化したという特殊要因による。

 実際、今第1四半期は前年同期比4.6%増収、同12.2%減益にとどまったが、第2四半期は同21.9%増収、同24.6%増益と二桁増収増益ペース に復帰した。上記のような特殊要因を考慮すれば、PSCの上半期の実態は好調であったと言えよう。
 
 下表のように、フィリピンでのセブン・イレブン総店舗数は近年順調に増加している。2014年6月末には1,121店に達し、前年同月末の893店から228店、率にして25.5%増加した。PSCは、これまで2012年末までに800店、2013年末までには1000店体制とすることを目標としてき ていた。これまでの出店実績は目標に沿って順調に推移している。2014年は300店を新規オープンし年末までに合計店舗数1,300店超とすることを目指すとしているが、この目標も実現可能な状況である。

 

フィリピンのセブン・イレブン店舗数推移

時期 06年末 07年末 08年末 09年末 10年末 11年末 12年末 13年末 14年3月末 6月末
店舗数 287 311 368 447 551 689 829 1,009 1,049 1,121

 なお、PSCアニュア ル・レポートによると、2013年末のフィリピンのブランドコンビニエンス・ストアの総店舗数は前年末比19%増の2,172店。シェアはセブン・イレブン 46%、ミニストップ18%、マーキュリー31%、サンミゲル・フードショップ2%となっている。そして、昨年4月にはファミリーマートも進出、急ピッチ で店舗網を拡充しつつある。 サークルKも出店したとのことである。

 2014年6月末のフィリピンでのセブン・イレブン店舗数は1,121店に対し、ミニストップは414店、ファミリーマートは46店となっている。今後 は、ローソンも進出、フィリピンのコンビニエンス・ストア店舗数拡大に拍車がかかりそうである。

 このような状況下において、業界トップのセブン・イレブンが急ピッチで店舗網を拡充させていることが目立つ。後続コンビニも追撃を図ろうとしているが、セブン・イレブンの動きが早く、現時点では店舗数の差が拡大傾向にある(14年7月18日のフィリピン証券取引所回覧03879-2014号などより)。

フィリピンのブランドコンビ二エンス・ストア店舗数とシェア

  2010年末 11年末 12年末 13年末 13年シェア 14年3月末 6月末
セブン・イレブン 551 689 829 1,009 46% 1,049 1,121
マーキュリー・セルフサービス 287 345 606 680 31% N.A. N.A.
ミニストップ 332 327 337 386 18% 402 414
サンミゲル・フードショップ 13 25 60 63 3% N.A. N.A.
ファミリーマート - - - 31 1% 40 46
サークルK - - - 2 0% N.A. N.A.
合計 1,183 1,386 1,832 2172 100% N.A. N.A.
(出所:フィリピン・セブン資料、ミニストップ資料などより作成、ミニストップ店舗数は日本側発表値)