比エプソン、インクタンク搭載プリンター強化

2014/07/18

新興国の低コストや耐久性という需要に対応

 

 セイコーエプソン(エプソン)は様々な市場の顧客の要求に対応した商品を提供している。

  その例として、近年は新興成長市場向けのイン クジェットプリンターの開発に特に注力している。新興成長市場のニーズは欧米を中心とした市場のニーズとは異なる点が数多くある。新興成長市場の顧客は、 機能よりもコストパフォーマンスと耐久性を重視する。そのため、東南アジアや中国、南米といった地域では、これらの市場に特化したインクジェット・プリン ターやビジネスモデルを設計し、提供している。価格を重視する顧客向けの大容量インクタンクを備えたインクジェット・プリンターや、ビジネスユーザー向けのモノクロプリンターがその例である。

 エプソンのフィリピンにおける販売・サービス拠点はエプソン・フィリピンズ(EPC)である。EPCは、このほど、新興国市場向けの製品の一つである大容量インクタンク搭載インクジェット・プリンター新製品4機種を発表した。
 
 今回発表されたのはベーシックタイプ(8.5pm=1分間に8.5枚入出力可能)のL120(単機能プリンター)、A3プリンターのL1300 、A3フォト・プリンターのL1800、L555(WiFi対応複合機)である。販売価格はL120が4,995ペソ、L1300が18.995ペソ、 L1800が24,995ペソ、L555が14,495ペソである。
  
 なお、大容量インクタンクを備えたインクジェット・プリンターは、インドネシアでもビジネス用途として注目を集め、好調に販売を伸ばしてきている。そし て導入モデルであったL100やL200 の発売から1年あまりで、インドネシア市場でのエプソンのインクジェット・プリンターの販売数量比率は、大容量インクタンクシステム搭載プリンターがおよ そ半分に達するほどになった。この商品は、フィリピン、タイ、インド、中国などのアジア諸国にも販売エリアが拡大し、さらに南米や東欧、中近東諸国へと全 世界で販売されるようになった。

 この商品の成功により、エプソンのエマージング市場における高収益ビジネスモデル転換に加速がついたという経緯がある。エプソンは世界初かつ唯一の純正インクタンクシステム・プリンターメーカーである。

 なお、EPCは1998年に設立されたが、短期間で10億ペソ超企業に成長、現在は77の公認サービスセンター、200以上のディーラー、800以上の 販売店を有するに至っている(14年7月17日のエプソン・フィリピン発表などより)。