5カ月間のOFW送金、6.1%増の104億ドル

2014/07/16

うち銀行経由分は5.7%増の94億ドルに
日本から8.9%増の3億9千万ドル、国別6位

 

 フィリピン中央銀行(BSP)によると、2014年5月のフィリピン人海外就労者(OFW)からの本国送金額(銀行経由 の現金送金額)は19億8,000万米ドル(速報値)と前年同月比で5.4%、前月比で3.4%増加した。一方、日本からのOFW送金額は前月比 12.7%減の7,442万ドルと二桁減になった。

 14年年初5カ月間(1~5月)の累計OFW送金額(銀行経由の現金送金額)は前年同期比5.7%増の93億7,200万米ドル。そのうち、陸上ベース のOFWからの送金は前年同期比5%増の70億8,100万米ドル、海上ベースのOFWからの送金は8.1%増の22億9,100万米ドルであった。 なお、これらの数値は中央銀行が把握している公式銀行ルートによるものである。

 送金元の国別動向については、1位が米国で前年同期比0.5%減の38億3,400万米ドル(シェア40.9%)、2位サウジアラビアの37.1%増の 9億6,800万米ドル(10.3%)、3位アラブ首長国連邦(AUE)の46.9%増の6億3,700万米ドル(6.8%)、4位英国の18.1%増の 5億5,600万米ドル(5.9%)、5位シンガポールの12.5%増の4億7,200万米ドル(5.0%)、6位日本の8.9%増の3億8,800万米 ドル(4.1%)、7位香港の30.6%増の2億6,600万米ドル(2.8%)など。

 フィリピン海外雇用管理局(POEA)の最新資料によると、2014年年初5か月間に認可された求人件数は累計37万1,097件(速報値)であった。 そ のうちの38.5%が処理済みで、主にサービス業、製造業、専門職、技術系の職種であった。主なホスト国は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦 (UAE)、台湾、クウェート、カタール。

 根強いOFW需要のほか、銀行やノンバンク系送金機関の継続的なネットワーク拡大、送金市場における金融商品の革新等がOFW送金の増加に寄与してい る。


海外フィリピン人労働者(OFW)からの銀行経由送金額推移(単位:百万米ドル)

項目 年間推移 1~5月
09年 10年 11年 12年 13年 13年 14年 伸び率(%)
送金額 17,348 18,763 20,117 21,391 22,968 8,865 9,372 5.7
日本から 774 883 914 1,010 904 356 388 8.9



月別海外フィリピン人労働者(OFW)からの銀行経由送金額推移(単位:百万ドル、%)

13年 14年  
5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月  4月  5月
送金額 1,879 1,935 1,946 1,938 1,953 2,079 2,080 2,173 1,799 1,796 1,883 1,914 1,980
対前年同月伸率 5.9 6.8 7.6 7.9 6.2 7.9 8.4 10.0 5.9 5.6 6.5  5.2 5.4 

(注:13年は改定値、14年は速報値)

 国際通貨基金(IMF)の「国際収支国際投資ポジションマニュアル」(BPM第6版)に準拠した包括的OFW送金データ(銀行経由現金送金+帰国時持参分+非現金型資産贈与含む)によると、5月の包括的OFW送金額(速報値)は前年同月比5.5%増の21億9,500万米ドル、年初5カ月間累計では前年 同期比6.1%増の104億0,400万米ドル。当然のことながら、従来からの公表データである銀行経由分のみの送金額を上回っている(14年7月15日 の フィリピン中央銀行発表などより)。


包括的OFW送金額(単位:百万米ドル)

項目 年間推移 1~5月
09年 10年 11年 12年 13年 13年 14年 伸び率(%)
送金額 19,078 20,563 21,922 23,352 25,351 9,809 10,404 6.1



月別包括的OFW送金額推移(単位:百万ドル、%)

13年 14年  
5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月  4月  5月
送金額 2,081 2,122 2,132 2,122 2,155 2,300 2,305 2,405 2,002 1,994 2,089 2,124  2,195
対前年同月伸率 6.8 6.7 8.4 8.6 7.7 9.7 10.4 13.4 6.8 6.0 6.9 5.2  5.5

(出所: フィリピン中央銀行資料より作成、13年は改定値、14年は速報値)