損保ジャパン、フィリピン初の台風保険発売

2014/07/12

ミンダナオ島農業生産者の被害軽減目的に

 

 損害保険ジャパン(損保ジャパン)のフィリピン現地法人であるPGA Sompo Japan Insurance Inc.(PGA 損保ジャパン)は、フィリピン南部のミンダナオ島の台風による農業生産者の被害の緩和を目的とした『台風ガード保険』の認可を取得し、8月1日から販売開始する。


 『台風ガード保険』は、台風の中心があらかじめ定めた対象エリアを通過すれば、一定の保険金が支払われるインデックス保険である。台風の通過を条件としたインデックス保険が販売されるのはフィリピン保険業界初となる。インデックス保険とは、特定の天候などの観測値をインデックスとし、その結果が、あらかじめ定めた条件を満たした場合に保険金を支払い保険のことである。

1.『台風ガード保険』開発の背景
 ミンダナオ島は、フィリピンの南部に位置し、年間を通して雨量が多いものの、台風が上陸することは稀であり、フィリピンの他の地域に比べて台風による被害が少なく農業に適した地域である。バナナ、パイナップルをはじめ、多くの農作物が大規模農園で栽培され国内外へ出荷されている。しかし、2011年から2年間連続して、ミンダナオ島に強い台風が上陸し、農作物に大きな被害をもたらしたことから、農業生産者や資金を提供
する銀行等から台風による被害を緩和する保険へのニーズが高まった。

 そこで、損保ジャパンおよびPGA 損保ジャパンは2013年に商品開発の検討を開始し、具体的な商品開発にあたっては、日本ですでに販売している『台風ガード(天候デリバティブ)』の技術と経験を活用し、グループ会社である損保ジャパン日本興亜リスクマネジメントが確率台風モデルおよびプライシングツールの開発を行い、損保ジャパンが保険商品設計を行った。
 確率台風モデルとは、稀にしか発生しない台風やこれまでに経験したことのない経路・強さの台風を含む多数の台風をシミュレーションし、年間の台風通過頻度を算出するもの。

2.『台風ガード保険』の概要
(1)引受保険会社:PGA 損保ジャパン
(2)保険契約者および被保険者:ミンダナオ島の農業生産者
(3)保険期間:1年間
(4)補償内容:
 台風の中心があらかじめ定めた対象エリアを通過した場合に、契約時に定めた所定の保険金を支払う。対象エリアは、ミンダナオ島の主要都市を中心とする半径100km、150km、200kmの円形内の地域で、契約者は契約の際に都市と半径を選択する。

3.今後の展開
PGA 損保ジャパンは、ミンダナオ島のバナナ生産者への販売を皮切りに、対象農作物の拡大ならびにフィリピン国内の他地域への販売拡大を検討していく。また、損保ジャパンは引き続き他国への展開を目指した商品開発を検討していく方針である(14年7月11日の株式会社損害保険ジャパンのニュースリリースより)。