5月の製造業生産金額12.6%増加(前月8.8%増)
2014/07/11
生産数量13.8%増加、販売数量は8.7%増加
フィリピン国家統計局(NSO)は7月10日、主要製造業775社からの聞き取り調査による2014年5月の生産・販売動向速報「特定産業月次総合調査」(MISSI)を発表した(今回発表数字は回答数655社で回答率84.5%時点での集計値)。
それによると、5月の生産金額指数(速報値:以下同様)は前年同月に比べ12.6%上昇。前月の上昇率を上回った。出版・印刷(227.7%)の三桁増をはじめ、組立金属製品(47.8%)、たばこ製品(38.3%)、飲料(32.7%)、石油製品(25.7%)、木・木製品(25.6%)、繊維(19.5%)、輸送機器(14.3%)、食品製造(13.5%)が二桁増となり成長をけん引した。
生産数量指数は前年同月比13.8%上昇となったが、前月の上昇率は下回った。出版・印刷(227.7%)、を筆頭に主要11部門が成長に寄与した。
純販売金額指数は前年同月比7.5%上昇。純販売量指数は前年同月比8.7%上昇。ともに前月の成長率(年率)から鈍化した。成長に最も寄与した部門は組立金属製品、繊維、石油製品、木・木製品、機械類(電気機械除く)など。
5月の平均設備稼働率は83.5%。主要20部門のうち11部門が80%を上回った。高稼働率の部門は石油製品(89.0%)、工業用金属 (87.9%)、非鉄鉱物製品(86.2%)、機械類(除電気機械)(84.7%)、食品製造(84.7%)、電気機械(84.4%)、化学製品 (83.9%)、紙・紙製品(82.9%)、ゴム・プラスチック製品(82.4%)、出版・印刷(82.1%)、木・木工製品(81.5%)など。
稼動率90%以上の企業の割合は24.1%、稼働率が70%-89%の企業の割合は56.7%で全体の半分強を占めた。50%以下の企業の割合は3.8%であった。
なお、この聞き取り調査は対象企業数が少なく回答企業数が月によって異ったり、回答提出が遅れるという問題点があ る。さらに、過去の数字が大幅に改定されるケースがあることに留意する必要がある。また、生産数量と設備稼働率の整合性という観点からも疑問が残る。今回 発表の4月分も次回3月分発表時にかなり改定されているはずである(14年7月10日のフィリピン国家統計局発表より)。
製造業活動状況(対前年同月成長率 単位:%)
全製造業 | 14年5月 | 14年4月 |
生産指数 (2000年=100) | ||
金額 | 12.6 | 8.8 |
数量 | 13.8 | 20.2 |
純販売指数 (2000年=100) | ||
金額 | 7.5 | 8.5 |
数量 | 8.7 | 19.8 |
出荷価格指数(2000年=100) | -1.1 | -9.5 |
(注:2014年4月の数値は全て改定値)
設備稼働率分布状況 (%)
設備稼働率 | 14年5月 |
50%以下 | 4.0 |
50%- 59% | 5.2 |
60% - 69% | 10.3 |
70% - 79% | 20.9 |
80% - 89% | 36.4 |
90% - 100% | 23.2 |
製造業設備平均稼働率推移(単位:%)
年 | 13年 | 14年 | |||||||||||
月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 |
稼働率 | 83.0 | 83.1 | 83.2 | 83.2 | 83.3 | 83.4 | 83.3 | 83.4 | 83.1 | 83.2 | 83.1 | 83.3 | 83.5 |
(上記の表の出所:全てフィリピン国家統計局資料より作成、改定値含む)