セブ・パシフィック航空、日本線の乗客5.8倍へ急増

2014/07/01

4月と5月で4万6千人、羽田⇔マニラ線就航も計画

 6月18日に発表された日本政府観光局(JNTO)の2014年5月訪日外客数統計によると、2014年5月の訪日フィリピン人数(推計値、以下同様)は前年同月比71.5%増の1万9,300人に達した。また、4月の訪日フィリピン人数は129.5%増(約2.3倍)の2万9,700人と急増、単月として過去最高を記録した。



 訪日フィリピン人急増は、昨年7月からのビザ発給要件の緩和(短期滞在数次ビザの発給開始)効果継続や、3月下旬から各航空会社が日本⇔フィリピン路線の増便、就航を積極化させたことが大きい。なお、この6月17日には、更なる緩和方針が発表された。フィリピン等向け数次ビザの大幅緩和及び指定旅行会社経由で実質免除並の一次観光ビザの緩和を行うとのことであり、訪日機運がさらに高まることが期待される。

 フィリピンの航空会社の日本線増便・就航に関しては、フィリピン航空(PAL)が3月30日より羽田⇔マニラ線を、昼間時間帯1便、深夜早朝時間帯便1便、合計毎日2便でのスケジュールにて就航を開始した。さらに関空⇔マニラ線、名古屋⇔マニラ線をダブルデイリー化(1日2便)により、PALの日本⇔フィリピン線は1日11便となった(その後2便が減便{運休})。

 一方、格安航空(LCC)最大手のセブ・パシフィック航空(CEB)は、3月30日にマニラ⇔東京(成田)線を就航した(毎日1便)。また、マニラ⇔名古屋(中部国際空港)線も就航した(週4便)。これに先立ち、昨年12月20日には、マニラ⇔大阪(関西空港)線を週3便から毎日便とした。この増便により、同線の合計シート数は133%増加した。

 CEBは、これらの増便効果や日比間往来気運の高まりなどにより、2014年4月~5月のマニラ⇔日本線乗客数は前年同期比480%増(5.8倍)の約4万5,800人に達したと発表した。CEBの総乗客数は4月が前年同月比6.6%増、5月が同11.3%増とやや伸び悩んでおり、日本線の乗客数の伸び率の高さが際立っている。

 なお、CEBはマニラ⇔羽田線就航も目指している。現地紙報道によると、PALが5月7日から運休しているマニラ⇔羽田線の深夜早朝時間帯便の枠を取得し運航する構想とのことである。PALが同便を再開するとこの構想の実現は難しくなるが、PALの冬期スケジュールの発表が注目される(14年7月1日のセブ・パシフィック航空発表などより)。