三菱自動車、フィリピンの部品生産拠点強化

2014/06/27

エイシアン・トランスミッションを90%保有へ

 

三菱自動車は、フィリピンにおける自動車用トランスミッション・エンジン生産会社であるエイシアン・トランスミッション・コーポレーション(ATC)の株式を、フィリピンの生産・販売会社であるミツビシ・モーターズ・フィリピンズ・コーポレーション(MMPC)および双日から譲り受けたと発表した。これにより三菱自動車は、ATC株式の90%を保有することになった。残りの10%はATC退職基金が保有。

 
 ATCは、コンポーネント生産拠点として、MMPCおよびアセアン地域を中心に、自動車用トランスミッション・エンジンを供給しており、今回のATC資本再編により、三菱自動車はコンポーネント生産事業の管理強化を図る。その上で、アセアン地域内の優位性を活用し、今年9月より新型トランスミッションをATCで集中生産し、利益拡大を目指す。

 1973年1月に設立されたATCの所在地はラグナ州カランバ市、資本金は7億7,000万ペソ、、主な事業はトランスミッションおよびエンジン製造である。従業員数は518名(2014年5月末時点)に達している。
 
 三菱自動車は、2016年度までの中期経営計画「ニューステージ 2016」において、その事業戦略の柱の一つとして「アセアン地域の生産体制強化」を掲げている。今年3月に発表したフィリピンにおける車体生産体制の再構築に加え、今回アセアン地域内のコンポーネント供給体制強化を図ることで、今後更なる自動車市場の持続的拡大が見込まれる同地域を中心とした事業基盤の強化に取り組んでいく。

 なお、車体生産体制再構築とは、MMPCが、フォード・モーター・カンパニー(フィリピン)の所有する工場跡地(ラグナ州ラグナ市)を取得し、現本社・工場(リサール州カイン タ市)から移転の上、2015年1月より順次生産を開始するというものである。

 MMPCは、本社・工場を移転して生産体制の再構築を図り、今後も自動車市場の持続的拡大が見込まれるフィリピンにおいて、将来の成長に備えていく計画である。MMPCの現在のリサール州カインタ工場は約18ヘクタールで、年間生産能力は3万台、昨年の生産実績は約1万5千台であった。取得するフォード工場は 約24ヘクタール、年産能力は約5万台へと70%増強される模様である。

 いずれにしても、三菱自動車のフィリピンにおける車体、部品生産体制が強化されつつある(14年6月27日の三菱自動車工業株式会社ニュースリリースより)。