三井物産、フィリピンのトヨタ車事業を拡充

2014/06/25

販社トヨタ・クバオに40%出資、製販双方に参画

 

 三井物産が、フィリピンでのトヨタ車事業を一段と拡充させた。

 メトロバンク・グループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)は、6月14日に、トヨタ車の販社であるトヨタ・クバオ(TCI)の 株式4,500万株を三井物産に売却したと発表した。売却額は2億9,870万ペソである。これにより、TCIの出資比率は、GTCAP51.4%、三井物産が40%、個人投資家8.6%となった。

 TCIは1989年に設立されたトヨタ車販売の草分け的存在である。TCIの2014年度第1四半期(1月~3月)の売上高は前年同期並みの11億ペソながら、純利益は前年同期比14倍の560万ペソへと急増した。三井物産の資本参加により、TCIの事業基盤・販売力が更に強固になることが期待される。

 なお、三井物産は既にトヨタ・マニラベイ社(TMBC)にも40.0%出資している。TMBCはフィリピン最大のトヨタ車販社であり、トヨタ車販売シェアは10%に達している。TMBCの2014年度第1四半期(1月~3月)の売上高は前年同期比23%増の27億ペソ、純利益は同19%増の3,180万ペソと好調であった。

 三井物産は、トヨタ自動車のフィリピン製造拠点であるトヨタモーター・フィリピン(TMPC)にも15%出資している(GTCAPが51%、トヨタ自動車が34%)。また、レクサス車販社であるレクサス・マニラにも25%出資している。フィリピンでのトヨタ車事業基盤拡充が進展していると言えよう(14 年6月24日のフィリピン証券取引所回覧03384-2014号などより)。