富士ゼロックス、フィリピン等で教育格差解消支援

2014/06/04

貧困児童向けに教材提供、学研がコンテンツ提供
アジア新興国で10万人の児童への配布計画

 

富士ゼロックス(本社:東京都港区)は、社員の深い共感と自発的なコミットメントをベースに、幅広い分野で社会貢献活動を展開している。特に、将来世代、地球環境に関わる活動に注力している。フィリピンの拠点である富士ゼロックス・フィリピンでも環境に配慮をした商品の提供や使用済み商品、消耗品の回収率100%を達成するなど、社会貢献や環境保全への取り組みを積極的に展開している。



 富士ゼロックスは社会貢献活動の一環として、事業展開をしているアジア・パシフィック地域の新興国を対象に、児童の教育格差解消を支援するために、自社のプロダクションプリンターを活用した教材提供プロジェクトを開始。まずはフィリピン・マニラ近郊の恵まれない地区に住む児童約400人を対象に教材を提供、6月7日に現地で贈呈式を行う。

 この教材提供プロジェクトは富士ゼロックスが全体を統括。コンテンツを無償提供するパートナーと、印刷や物流費を負担するフィナンシャルスポンサーを募り、現地ニーズに合った教材を作成する。作成した教材は富士ゼロックスのプロダクションプリンターで印刷、現地NGOを通じて児童へ提供および学習支援が行われる。このプロジェクトはより多くの企業との連携により、支援する児童数の拡大を目指しており、タイ、ベトナムなどに順次展開しアジア・パシフィック全域で今後10年間に10万人の児童への配布を計画している。

 今回は、学研ホールディングス(本社:東京都品川区)が英語の自学習コンテンツを提供、富士ゼロックスのプロダクションプリンターで出力、スラム街住民への住宅建設プロジェクトを推進する現地NGOガワッ・カリンガの運営するブラカン州の複数のガワッ・カリンガ・ビレッジの児童を対象に提供する。広く企業スポンサーを募りながら、今後フィリピンにおいてはガワッ・カリンガが運営する他のビレッジの児童へも配布する予定である。

 なお、ガワッ・カリンガ・ビレッジ・プロジェクトは、スラム街住民の自立促進プロジェクトである。ガワッ・カリンガはタガログ語で「気にかける」を意味する。市町村には建設地住居権の提供を、企業には建築材料費と建設作業のボランティア協力を要請している。在フィリピン国内に2000のビレッジがあり、60000家族を支援している。富士ゼロックス・フィリピンはこのプロジェクトに参画、2007年に富士ゼロックス・ガワッ・カリンガ・ビレッジを建設した。

 富士ゼロックスが事業展開するアジア・パシフィック地域の一部の国や地域では、急速な経済発展に伴う貧富の差が大きな社会問題となっており、国際連合のミレニアム開発目標において「初等教育の完全普及の達成」が目標に置かれている。これらの地域では貧困のため教材を購入できない、あるいは通学することができないなどの理由で、初等教育の修了率(最終学年到達率)が低く、十分な教育を受けられない児童がまだ多く存在している。

 富士ゼロックスは企業理念である「私たちが目指すもの」の中で「世界相互の信頼と文化の発展」を掲げており、「将来世代の人材育成」を社会貢献テーマのひとつとして定めている。これまでにも弱視の児童・生徒のための「拡大教科書」製作支援活動や、アジア・パシフィック地域の人文・社会科学分野の研究の助成を行う「富士ゼロックス小林節太郎記念基金」を創設するなど継続的な支援を行ってきた。

 今回のプロジェクトにおいては、各企業の強みを連携し、持続可能な仕組みを構築することで、社会問題の解決支援に貢献していく方針である(14年6月4日の富士ゼロックス株式会社ニュースリリースより)。