「シティ・オブ・ドリームス マニラ」にハイアット開業

2014/06/04

 フィリピン政府は、国家プロジェクトとして観光事業を強力に推進することを目的に、マ二ラ湾岸沿いに4つのカジノリゾートを核とする「マニラベイ・エンターテインメントシティー」を創設しつつある。

 既に昨年3月に「ソレア・リゾート&カジノ」がオープンした。今年は「シティ・オブ・ドリームス マニラ」(CDM)がオープンする予定である。従来このカジノ・プロジェクト名は「ベル・グランデ マニラベイ」と称されてきたが、昨年にCDMへと改称された。

 CDMは、SMグループ総帥ヘンリー・シー氏傘下の娯楽・不動産企業ベルコープ・グループと、オーストラリアの富豪ジェームス・パッカー氏傘下のカジノ企業メルコ・クラウン・エンターテインメント社(MCE)による合弁カジノ・リゾート施設である。

 MCEはマカオのメルコ・インターナショナルと豪州のクラウンの合弁企業であり、マカオの有名カジノ「シティ・オブ・ドリーム」の開発・運営企業であ る。 MCEのフィリピン法人はメルコ・クラウン(フィリピン)リゾーツ(MPC)であり、フィリピン証券取引所(PSE)に上場されている。
 
 CDMは2014年後半に開業の運びとなる。そして、カジノテーブル365台、スロットマシン1,680台(同1,250 台)、電子ゲーム1,680台などを備えた大型カジノ・リゾート・商業施設となる見込み。また、CDMには3つの有名ホテルが開業されることになっている。 既に高級ホテル「クラウン・タワーズ」、米国系高級ホテル「ノブ・ホテル」が進出するとも発表されている。

 そして、6月3日には、「MPCとハイアット・ホテル&リゾート(ハイアット)との間で、ホテル運営・管理契約が締結された」と発表された。この契約によると、CDM内の2棟からなるホテルをハイアットが運営する。このホテルは「ハイアット・シティ・オブ・ドリームス マニラ」と命名された。2014年内に開業予定である。

 なお、MPCは5月22日に、米国の著名映画製作会社ドリームワークス・アニメーション(DWA)との間で、フィリピン事業に関する提携で合意、合意書に署名した。具体的には、CDM内に、DWA「カンフー・パンダ」のポー、「シュレック」のシュレック、「マダガスカル」のアレックス、キング・ジュリアンなどの人気アニメキャラクターを活用する教育エンターテイメント施設「ドリームプレイ」を開設、ファミリー向け娯楽提供の拡充を図る。

 このようにCDMプロジェクトは開業に向けての準備が進展しているといえよう(14年6月2日のフィリピ ン証券取引所回覧03023-2014号などより)。