フィレックス、係争中の南シナ海環礁で単独開発意向

2014/05/23

 

 

 フィリピンの有力鉱山フィレックス・マイニング傘下のフィレックス石油(PXP)が60.49%を保有する英国資源探査・開発企業である フォーラム・エナジー(フォーラム)の2012年の調査結果によると、南シナ海パラワン島西方沖のサービス コントラクト(SC)72鉱区(レクト環礁サンパギータ・ガス田)の天然ガス埋蔵量は莫大である。

 2012年4月に発表されSC72鉱区の天然ガス埋蔵量調査結果によると、同鉱区での天然ガス埋蔵量は最低でも4兆6,660億立法フィートであり、強気な見積もりでは16兆6,120億立法フィートに達するとのことであり、それまでの見込みを大幅に上回った。

  ただし、この地域は中国との領土権問題で揺れている地域である。この鉱区開発参加権を有するフィレックス・マイニングのパンギリナン会長は、2012年11月に、政治問題を棚上げし、中国国営企業である中国海洋石油総公司(CNOOC) に対して共同開発することを提案した。

 しかし、この共同提案の前進は見られず、今年4月にはパンギリナン会長が「両社は交渉を中断した。対話は 途絶え交渉再開の目途や計画はない」と表明、中国との共同開発構想は事実上消滅した。

 パンギリナン会長は、このほど、「2015年に期限が到来するレクト環礁サンパギータ・ガス田の開発権期限延長措置を講ずる。そして、2016年に単独での掘削を開始する意向である」と表明した(14年5月22日のフィリピン証券取引所回覧02779-2014号などより)。