不動産投融資残高、7%増の1兆ペソに:13年末

2014/05/21

融資残7%増の8,430億ペソ、商業用5千億ペソ超
住宅融資残は21%増の3,205億ペソへと大幅増加

 

 フィリピン中央銀行(BSP)は5月20日、2013年末の商業・ユニバーサル(拡大商業)銀行と貯蓄銀行の不動産投資・融資(REE)残高合計速報値を発表した。

 それによる と、2013年末の不動産投融資(REE)残高合計は前年末比7.1%増の1兆0,066億ペソに達した。そのうち、不動産融資(REL)残高合計は同7.0%増の8,430億ペソでREEの83.8%を占めた。RELのうち約60%が商業用不動産向けであった。上記のように、住宅不動産向け融資残高は同21%増の3,205億ペソでRELの約38%を占めている。RELの不良債権(NPL)比率は 2.8%%で、2013年9月末の3.2%から更に低下した。

 一方、銀行の不動産関連投資(不動産株への投資など)残高は同7.8%増の1,636億ペソで、REEの16.2%を占めた。

 なお、住宅不動産融資残高(RREL)は、前年末比21.1%増の3,204億5,000万ペソであった。住宅不動産融資の不良債権(NPL)残高は前同13.1%減の94億7,300万ペソ。その結果、住宅不動産融資残高の不良債権比率は2.96%となり前年末の4.12%から改善した。

 総融資残高(TLP)に対する住宅不動産融資残高比率は7.00%で前年末の6.72%から拡大した。また、総不良債権残高(TNPL)に対する住宅不動産融資不良債権比率は8.01%で、前年末の8.57%から低下した(14年5月20日のフィリピン中央銀行発表より)。


  ユニバーサル・商業銀行、貯蓄銀行の住宅融資動向(単位:百万ペソ)

項目 12年12月末 13年9月末 13年12月末
住宅不動産融資残高(RREL) 264,525 306,388 320,450
住宅不動産融資不良債権(NPL)残高 10,899 9,810 9,473
       
総融資残高(TLP) 3,980,908 4,252,522 4,580,095
総不良債権残高(TNPL) 127,142 129,533 118,237
       
総融資対住宅不動産融資比率 6.72% 7.20% 7.00%
総不良債権対住宅不動産融資不良債権比率 8.57% 7.57% 8.01%
総融資対住宅不動産融資不良債権比率 0.28% 0.23% 0.21%
住宅不動産融資の不良債権比率 4.12% 3.20% 2.96%
住宅不動産融資不良債権貸倒引当比率 39.57% 37.87% 41.95%

(出所:中央銀行資料より作成)

注1.数字は商業・ユニバーサル銀行(U/KB)、貯蓄銀行の合計
注2.総融資残高(TLP)には銀行間融資(IBL)は含まれていない