3月末の比セブン・イレブン店舗、24%増の1,049店
2014/05/16
第1四半期は特殊要因で12%減益も業界断トツ
ミニストップ402店、ファミマ40店、サークルK始動段階
フィリピンのセブン・イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが51.56%を所有(2014年3月末現在)するフィリピン・セブン社(PSC)によって運営されている。
PSCは1982年11月に設立され、同年12月に米国テキサス州ダラスのサウスランド社(その後セブン・イレブン社に社名変更)からフィリピンでのセブン・イレブン運営ライセンスを獲得。1998年2月4日に、フィリピン証券取引所(PSE)に上場した。
このPSCが2014年度第1四半期(1月~3月)決算速報を発表した。それによると、今第1四半期のグループ売上高は前年同期比6.6%%増の44億ペソ、営業収入は同4.9%増の36億ペソ、営業利益は同12.6%減の1億4,660万ペソ、純利益は同12.2%減の1億ペソと小幅増収二桁減益決算となった。
今第1四半期の業績は、これまでの高成長にブレーキが掛かったかたちとなった。これは、前年同期には、①5月13日投票の中間総選挙に向けての特需があった、②主力商品の一つである煙草が大幅増税を控えての買い溜めで大幅増収であったという特殊要因があり、今第1四半期はその反動で売上高の伸びが鈍化したことによる。
2014年3月末のフィリピンでのセブン・イレブン総店舗数は1,049店に達し、前年同月末の847店から202店、率にして24%増加した。
フィリピンでのセブン・イレブン第1号店は、1984年2月にケソン市エドサ通り沿いにオープンした。当初の出店ピッチは鈍かったが、2000年の小売業界規制緩和を契機に出店ピッチが速まった。そして、2006年末287店、2007年末311店、2008年末368店、2009年末447店、 2010年末551店、2011年末689店、2012年末829店、そして、2013年12月末には1,009店と1,000店を突破した。さらに、2014年3月末には1,049店と順調に拡大している。
PSCは、これまで2012年年末までに800店、2013年末までには1000店体制とすることを目標としてきていた。これまでの出店実績は目標に沿って順調に推移している。一昨年央まではセブン・イレブン店舗展開はルソン地域に限られていたが、ビサヤやミンダナオでも積極展開する方針であり、一昨年7月31日にセブに初出店した。2013年末でセブ45店、バコロド9店となっている。セブでは早期に100店体制とする方針である。そして、2014年年末までに合計店舗数1,300店を目指す。
いずれにしても、フィリピンのコンビニエンス・ストア業界が離陸期入りし高成長を続けているといえる。そして、業界トップ(店舗数シェアで約46%)の セブン・イレブンをミニストップやマーキュリー・セルフサービスが追うという構図になっている。昨年4月にはファミリーマートもフィリピン1号店をオープンした。PSCによると、サークルKも2店出店した。
ちなみに、2014年3月末のミニストップ店舗数は402店、ファミリーマート店舗数は40店となっており、セブン・イレブンの1,049店が断トツである(フィリピン・セブン2014年第1四半期報告書などより)。
フィリピンのブランドコンビ二エンス・ストア店舗数とシェア
2010年末 | 11年末 | 12年末 | 13年末 | 13年末シェア | 14年3月末 | |
セブン・イレブン | 551 | 689 | 829 | 1,009 | 46% | 1,049 |
マーキュリー・セルフサービス | 287 | 345 | 606 | 680 | 31% | N.A. |
ミニストップ | 332 | 327 | 337 | 386 | 18% | 402 |
サンミゲル・フードショップ | 13 | 25 | 60 | 63 | 3% | N.A. |
ファミリーマート | - | - | - | 31 | 1% | 40 |
サークルK | - | - | - | 2 | 0% | N.A. |
合計 | 1,183 | 1,386 | 1,832 | 2172 | 100% | N.A. |