比トヨタ自動車の快走続く、第1四半期25%増益
2014/05/16
純利益14億ペソに、売上高は28%増の236億ペソ
販社トヨタ・マニラベイ社やトヨタ・クバオ社も好調
トヨタ自動車のフィリピン拠点であるトヨタモーター・フィリピン(TMPC)の業績が好調に推移している。
TMPC株式51%を保有するメトロバンク・グループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)は、決算速報(詳細は別掲)においてト ヨタモーター・フィリピン(TMPC)の動向も説明している。
それによると、TMPCの2013年度(1月~12月)の売上高は前年比10%増の802億ペソ、純利益は同50%増の42億ペソと大幅増益であった。 TMPCの販売台数は7万5,161台で、工業会加盟企業でのシェアは41.5%、 自動車輸入販売企業協会(AVID)加盟企業分を含む総販売台数ベースでのシェアは35.7%で2位以下を大きく引き離している。レクサスを加えると、 2013年のトヨタ車販売台数は7万5,587台に達した。
TMPCは、2013年まで12年連続で、フィリピン自動車市場の三冠王(総販売台数、商用車販売台数、乗用車販売台数いずれもトップ)となった。 2014年の販売台数目標は20%増の9万台とのことであり、 13年連続の三冠王達成が期待される状況である。
そして、TMPCの2014年度第1四半期(1月~3月)の売上高は前年同期比28%増の236億ペソ、純利益は同25%増の14億ペソと二桁増収増益決算となった。同期間の販売台数は2万2,828台に達し、工業会加盟企業におけるシェアは44.2%へと高まっている。TMPCの快走が続いているといえよう。
TMPCは、1988年にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立され、1989年から生産/販売を開始した。TMPCの出資比率はトヨタ自動車34%、 三井物産15%、メトロバンク・グループ(GTCAP)51%となっている
なお、GTCAPは、トヨタ車事業を一段と拡充しつつある。今年3月には、トヨタ車販売企業である「トヨタ・クバオ社(TCI)」株式6,242万株(79.84%)を3億1,150万ペソでTCIを買収した。TCIは1989年に設立されたトヨタ車販売に草分け的存在である。このTCIの2014年度第1四半期(1月~3月)の売上高は前年同期並みの11億ペソながら、純利益は前年同期比14倍の560万ペソへと急増した。
昨年12月と今年3月にかけては、有力トヨタ車販売企業であるトヨタ・マニラベイ社(TMBC)の株式を取得、2回合計で60%を保有するに至った。残りの40%は三井物産が保有している。TMBCはフィリピン最大のトヨタ車販売会社であり、2012年のトヨタ車販売シェアは10%に達している。そして、TMBCの2014年度第1四半期(1月~3月)の売上高は前年同期比23%増の27億ペソ、純利益は同19%増の3,180万ペソへと増加した。
GTCAPは、一昨年後半から昨年年初にかけて、トヨタ自動車のフィリピン製造拠点であるTMPC株式を30%追加取得、 保有比率を51%に高めている。すなわち、TMPCのマジョリティーを握っており、製造、販売双方でトヨタ車事業を強化しているといえよう(14年5月15日のフィリピン証券取引所回覧02505-2014号などより)。