第1四半期の外人の金融投資、23億ドルの売り越し
2014/04/25
前年同期11億ドルの買い越しから激変、3月も売り越し
フィリピン中央銀行(BSP)は4月24日、2014年3月及び第1四半期(1~3月)の海外からのポートフォリオ投資(証券投資等の間接投資)勘定の速報値を発表した。
海外からのポートフォリオ投資としてカウントされるのは、非居住者によるポートフォリオ投資動向であり、証券取引所(PSE)を通じてのフィリピン株式、ペソ建て債券、銀行でのペソ建て預金、マネーマーケット投資などが含まれる。
3月の海外からのポートフォリオ投資勘定は9,200万米ドルの売り越しとなり、前月、前年同月の純流出が大幅に縮小。米連邦準備銀行の現行の金融政策を維持するとの発表や3月のインフレ率(3.9%)が予想より良かったこと等がプラスに作用したもよう。
証券などの取得総額(グロス)は前月比42.7%増、前年同月比8.8%減の21億2,800万米ドル。対フィリピン投資国上位5カ国は米国、英国、シンガポール、マレーシア、ルクセンブルグで全体の79.7%を占めた。主な投資対象はPSE上場企業株式(シェア76.7%)、ペソ建て国債 (23.3%)。PSE上場企業株式のセクター別内訳は、持ち株会社、銀行、不動産会社、食品・飲料・煙草企業、通信企業などであった。一方、処分総額は前月比19.8%増、前年同月比18.7%減の22億1,900万米ドルであった。
2014年第1四半期(1月~3月)の海外からのポートフォリオ投資勘定は22億9,700万米ドルの純流出に転落。証券などの取得総額は前年同期比32.6%減の48億9,600万米ドル。一方、処分総額は前年同期比16.5%増の71億9,200万米ドルであった(14年4月24日のフィリピン中央銀行発表より)。
海外からのポートフォリオ投資(証券等の金融市場投資)勘定 (単位:百万米ドル)
期間 | 13年3月 | 14年2月 | 14年3月 | 対前月伸率 | 対前年同月伸率 | 13年1-3月 | 14年1-3月 | 伸率 |
取得総額 | 2,334 | 1,491 | 2,128 | 42.7% | -8.8% | 7,263 | 4,896 | -32.6% |
処分総額 | 2,729 | 1,852 | 2,219 | 19.8% | -18.7% | 6,176 | 7,192 | 16.5% |
純流入額 | -395 | -361 | -92 | 74.7% | 76.8% | 1,087 | -2,297 | 純流出転落 |
(出所:フィリピン中央銀行資料より)