日系企業のフィリピン進出・提携、第1四半期29件に

2014/04/24

タイ73件、ベトナム64件、インドネシア59件等の後塵
ミャンマー急増し33件、カンボジア17件、ラオス3件

 

 コンサルティングと調査業務を展開するプログレス・アンド・パートナーズ(本社:東京)は、提供商品である日系企業の動向情報を「蓄積型」表形式のデータファイルとして提供する経済レポート『経済ReleaseWatch@東南アジア版』 (http://www.progressap.com/economy/)を発行するにあたり、収集した日次データーの集計をもとに2013年度第1四半期(2014年1月~3月)の日系企業の東南アジア諸国への設立・進出・提携活動集計報告のサマリーを発表した。


<調査項目>
 2014年第1四半期の東南アジア各国への日系企業動向(ASEAN企業動向として収集した案件2,586件)より、各国での企業動向で「法人の設立」、「現地への進出」、「現地企業との提携」に関する案件を独自に集計した。

<該当国>
 東南アジア9カ国(ブルネイは除く)。

<集計結果>
 2014年第1四半期(2014年1~3月)の3カ月間を対象とした独自調査による集計の結果、日系企業の「法人設立」、「進出」、「提携」と 判断できる活動の合計が、ASEAN9カ国合計で365件となった。
 
 国別では、タイが67件でトップ。以下、ベトナム64件、インドネシア59件、シンガポール55件、マレーシア37件、ミャンマー33件、フィリピン29件、カンボジア17件、ラオス4件と続く。1位のタイは、「法人設立」と「現地への進出」の両項目がトップと日系企業の動向において政情不安の影響はなかったと言える。特徴としてはミャンマーの3指標合計が33件となり全体では6位の件数だが、第2~3四半期頃からの件数が急増している。
 
 流通業の動きとしては、イオンの動向が注目される。イオンはすでに1980年代にマレーシアとタイで進出を果しているが、2014年からはショッピングセンター(SC)の進出国を広げ、1月にベトナム1号店に続き、6月にカンボジア、年内にインドネシアを予定している。今年進出する3カ国において16年度までにSCの出店を10カ所以上予定し、続きミャンマーやラオスへの進出も検討していると報じられている。この大型SC進出に伴い、外食業などの日系企業がSC内に出店するモデルが出来上がりつつあることは特筆できる。イオンがミャンマーやラオスへの出店を果した折には日本食等の日系店舗が多数持ち込ま れることになるであろう。
 
 域内の自動車業界動向に目を移すと、タイの政情不安や洪水の内需への悪影響で景気見通しが不安定であり、リスク分散のための国外拠点としてインドネシアが恩恵を受けている状況となり、域内での自動車産業におけるタイとインドネシアの2拠点化は今後も進む見通しである。又、フォルクスワーゲンが域内に初の工場建設を模索しているように、欧米自動車と中国民族系自動車各社の本格的な東南アジア進出が始まろうとしている。
 
 金融機関の動向に関しては、昨年提携案件が多かった地方銀行(64行)については落ち着いたようである。域内での取り組みを昨年末時点でみると、域内に駐在員事務所を有する地方銀行は15行、タイの銀行と提携関係を結ぶ地方銀行は33行、JBICの地銀連携協定でタイの銀行と業務提携している地方銀行は18行となっている(14年4月22日の株式会社プログレス・アンド・パートナーズ発表より)。