不二製油、フィリピン・レイテ島での生産撤退
2014/04/17
台風被害甚大、今後は市場開拓・原料調達の拠点に
大手油脂メーカーである不二製油(本社:大阪府泉佐野市)は、昨年11月8日にフィリピン中部を襲った超大型台風30号(フィリピン名:ヨランダ)により被害を受けたフィリピン連結子会社の状況、ならびに2014年3月期(2013年4月1日~2014年3月31日)における特別損益の計上について発表した。
1.被災した連結子会社の状況および今後について
2013年台風30号による被害を受けた連結子会社ニュー・レイテ・エディブル・オイル・マニュファクチャリング社(NLEOMC、フィリピン・レイテ島)は、生産設備に甚大な被害が生じた。これまで、NLEOMCでの設備再投資、事業継続を検討してきたが、事業採算、事業運営リスク等を勘案し、設備再投資を行わないことを決定した。これによりNLEOMCの事業は縮小するものの、今後は、フィリピンにおける市場開拓、原料調達等の拠点として運営していく予定である。
2.2014年3月期の特別損益の計上について
台風30号の災害による損失として、棚卸資産の評価損等7億1,000万円及び主として工場設備の除却損2億9,000万円等の計11億2,100万円を「災害による損失」として、2014年3月期に特別損失として計上する見込みである。
また、被害を受けた棚卸資産及び固定資産については、保険が付保されており、一時金として受取った保険金8億0,200万円を、2014年3月期に特別利益として計上する見込みである。なお、2014年3月期末以降にも被害を受けた資産に対する保険金の受取を見込んでいる。
なおNLEOMCは、これまで、レイテ島においてココナツ・オイル(やし油)を原料とする食用油脂の製造販売を行ってきた。設立は1994年2月、現行資本金は5億0,700万ペソで不二製油が86.7%、伊藤忠商事が12.5%、現地資本が0.8%出資している(14年4月17日の不二製油株式会社ニュースリリースなどより)。