バタンガス港とスービック港利用促進へ

2014/04/16

JICA専門家桑島氏がメールマガジン創刊

 

 JICA専門家の桑島隆一氏(フィリピン運輸通信省出向)が、メールマガジン「バタンガス・スービック・ポート・ニュース」(無料)を創刊した。

 バタンガス港及びスービック港は、ルソン島の成長回廊であるスービック~クラーク~マニラ~バタンガス地域の経済発展を促進させる重要な港湾として、日本の支援で建設されたものである。両港の発展は、またマニラ港に集中するコンテナ貨物を分散させ、深刻化するマニラ首都圏の交通混雑の緩和にも寄与する。

 しかしながら、新しい港湾であるがゆえにまだ両港は十分に利用されるに至っていない。このため、バタンガス港及びスービック港の一層の発展や利用振興を目的に、最新の港湾事情、調査結果、政策決定などの情報を提供することとなった。港湾物流がグローバル化する中、物流の効率化、そして両港の利用への意思決定に寄与することを願っている。

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 <バタンガス港とスービック港の整備概要>
 バタンガス港はマニラ首都圏の南、約110km、またスービック港は北西、約140kmの距離に位置している。ともに悪天候を避けやすい湾の中にある天然の良港で、スービックから内陸のクラーク、そしてマニラ、バタンガスで結ばれる成長回廊で結ばれる地域は、フィリピン全体のGDPの約2/3に貢献していると言われている。

・バタンガス港
1980年代から地域開発を促進させる大規模港湾の開発が計画された。日本政府は、老朽化した施設の整備・拡張とともに国際貿易港への整備を支援した。これによりカラバルソン地域の発展とともにマニラ首都圏の交通混雑の緩和が期待されている。

・スービック港
スペイン及び米国海軍によってスービック港は開発され、軍港として利用されていた。1992年の米軍撤退以降は、日本政府の支援によりインフラ施設が改修され、スービック経済特別区の国際貿易港として発展している。

 バタンガス港、スービック港 マニラ港比較(「バタンガス・スービック・ポート・ニュース」創刊号より)

                                                                    -  バタンガス港                    スービック港                           マニラ港(参考)          
 バース  延長  450m(2バース)  560m(2バース)  南港 1,902m
 (15バース)
 MICT 1,750m
 (6バース)
 水深  13m   13.7m  南港 10~12m
 MICT 13~14m
 ガントリークレーン           2基  4基  南港 9基
 MICT 13基
 コンテナ  取扱能力  300千TEU  600千TEU  -----
 貨物量(2013年)  11千TEU  38千TEU  南港920千TEU
 MICT 1,800千TEU
 運営開始  2008年2月  2008年4月  -----
 アクセス  距離  マニラの南約
 110km
 マニラの北西約
 140km
 -----
 時間  高速道路で約2時間  高速道路で約3時間  -----
 運航サービス    便数  週1便  週2便  南港 週35便
 MICT週30~35便
 船社  MCC Transport社  Wan Hai社、APL社   南港 131社
 MICT 55社
 航路  (シンガポール)
 ~バタンガス
 ~(マニラ)
 ~(高雄)
 (高雄)~(マニラ)~
 スービック~(高雄)
 (高雄)~スービック
 ~(マニラ)~(高雄)
 -----
(出所:JICA, PPA。MICT:とはManila International Container Terminal {マニラ国際コンテナターミナル})