不動産企業ダブルドラゴン上場、初日株価50%急騰

2014/04/07

ジョリビー系で今年初のIPO案件、ストップ高の3ペソに

 

4月7日に、不動産企業「ダブルドラゴン・プロパティーズ」(ダブルドラゴン)が、フィリピン証券取引所(PSE)に新規上場した。

 

 ダブルドラゴンの新規上場に先立つIPO期間は3月26日~4月1日まで実施された。IPO株数は5億7,973万株。1株当たり公募価格は2ぺソ、IPO規模は11億5,946万ペソである。公募価格決定のために3月17日~20日に実施されたブックビルディングでの応募倍率は14倍に達するなど前人気は非常に高かった。

 そして、上場初日である3月7日の始値は、IPO価格を20%上回る2.40ペソであった。始値がこの日の安値であり、終値はIPO価格を50%上回る3.00ペソとなった。50%上昇というのはストップ高であり、この日の高値も3.00ペソであった。出来高は約1億6,753万株、売買金額は約4億4,950万ペソに達した。

 ダブルドラゴンは、ジョリビー・フーズ(JFC)創始者であり現会長であるトニー・タン・カクティオン氏と、2010年にJFCグループ入りしたバーべキュー・チェーン「マン・イナサル」創業者エド ガー・シアⅡ氏によって保有されている不動産企業である。すなわち、ジョリビー・グループ企業といえる。

 なお、ダブルドラゴンは、2014年のPSE上場第2号となった。第1号はサンミゲルの筆頭株主であり、昨年までサンミゲルとの株式持ち合い企業でもあったトップ・フロンティア・インベストメント・ホールディングス(TFHI)である。ただし、TFHIの新規上場はイントロダクション(紹介)方式で行われた。 イントロダクション方式とは、新規公募(IPO)を実施しないで、既存株式を直接上場させる方式である。したがって、ダブルドラゴンが、2014年初のIPO実施企業となった。

  フィリピンを代表する成長企業であるジョリビー・フーズ系の不動産企業であること、今年初のIPO案件であったこと、IPO価格が2.00ペソと割安感を感じさせる水準であったことなどから、投資家の注目や関心を集め、非常に好調なデビューとなった(フィリピン証券取引所のI取引記録などより)。