日本、フィリピンの南シナ海仲裁手続に支持表明

2014/04/02

 南シナ海をめぐる問題(フィリピンによる国連海洋法条約に基づく仲裁手続)に関して、日本外務報道官は以下のような談話を発表した。

1.フィリピン政府は、南シナ海をめぐる同国と中国との間の紛争に関し昨年開始された国連海洋法条約に基づく仲裁手続において、3月30日、仲裁裁判所に対し、フィリピンの主張を文書で提出した。

2.南シナ海をめぐる問題は、地域の平和と安定に直結し、世界の海洋秩序に影響する国際社会全体の関心事項であり、各国が「法の支配」の原則に基づき行動 することが、地域における国際秩序の維持・発展にとって重要であると考える。

3.フィリピンが、国連海洋法条約上の手続を活用して、国際法に基づく平和的な紛争解決を目指すことは、地域における法の支配に立脚した国際秩序の維持・発展に資するものであり、日本としてもこれを支持する。

<フィリピンによる国連海洋法条約に基づく仲裁手続推移>
(1)昨年1月22日、フィリピンは、南シナ海をめぐる中国と同国との間の紛争に関し、政治的・外交的解決努力を既に尽くしたとして、国連海洋法条約に基づく仲裁手続を開始した(中国側にその旨通告)。

(2)昨年7月11日、仲裁裁判所は第1回会合を行い、同年8月27日、同裁判所は、フィリピン政府が自らの主張について述べる文書(申述書)を提出する期限を2014年3月30日に定める手続命令を発出したことを対外公表した。なお、同裁判所の裁判事務は、ハーグ(オランダ)の常設仲裁裁判所が担うこととされた。

(3)本年3月30日、フィリピン政府は、申述書を仲裁裁判所に提出した。

(4)中国側は、仲裁手続を一貫して拒否し、関係国の交渉により解決すべきと主張している(14年3月31日の日本外務省発表より)。