比トヨタ自動車、純利益50%増の42億ペソに

2014/04/01

売上10%増の802億ペソ、12年連続の三冠王
持株会社GTキャピタル31%増益に寄与:2013年

 

 メトロバンク・グループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)がこのほど、2013年度(1月~12月)の決算速報を発表した。

 GTCAPの2013年の純利益は前年同期比31%増の86億ペソへと大幅増加した(詳細は別掲)。このGTCAPの好決算には、トヨタ自動車のフィリピン拠点であるトヨタモーター・フィリピン(TMPC)が大きく貢献している。

 GTCAPは、メトロバンクが保有 していたTMPC株式約464万株(30%)を、昨年から今年初めにかけて取得した。取得総額は90億ペソであった。これにより、GTCAPのTMPC直 接保有比率は51%に高まった。一方、メトロバンクの直接保有比率はゼロとなったが、メトロバンク・グループの保有比率は51%のままで変化はない。
 
 この売買により、GTCAPは主力事業の一つである自動車事業の基盤を強化する一方、メトロバンクは、バーゼルⅢ自己資本基準導入に向けて、自己資本や財務基盤を一段と強化した。また、GTCAPは、TMPCを子会社化したことで、その決算にTMPCの業績がより強く反映されることになり、好調なTMPCの寄与度がさらに高まることになった。
 

  このTMPCの2013年度(1月~12月)の売上高は前年比10%増の802億ペソ、純利益は同50%増の42億ペソへと二桁増加した。

 2013年のフィリピン国内四輪車新車販売台数(工業会加盟企業分)は、前年比16%増の18万1,283台に達した。そしてCAMPIを脱退している韓国系の現代アジア・リソース(HARI)など 自動車輸入販売企業協会(AVID)加盟企業分を含む総販売台数は同14%増の21万台に達した。双方ともに2年連続での過去最高更新となった。

 そのなかでも、TMPCの販売台数は7万5,161台に達し、工業会加盟企業でのシェアは41.5%、総販売台数ベースでのシェアは35.7%で2位以下を大きく引き離している。レクサスを加えると、2013年のトヨタ車販売台数は7万5,587台に達する。

 TMPCは、2013年まで12年連続で、フィリピン自動車市場の三冠王(総販売台数、商用車販売台数、乗用車販売台数いずれもトップ)となった。 2014年の販売台数目標は20%増の9万台とのことであり、 13年連続の三冠王達成が期待される。

 なお、TMPCは、1988年にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立され、1989年から生産/販売を開始した。TMPCの出資比率はトヨタ自動車34%、 三井物産15%、メトロバンク・グループ51%となっている(14年3月31日のフィリピン証券取引所回覧1518-2014号などより)。