日本、フィリピンに69億円の無償協力(3件)

2014/03/25

台風復興、セブ水道改善、沿岸警備通信強化

 3月25日、フィリピン共和国の首都マニラにおいて、卜部敏直駐フィリピン日本国大使とアルバート・デル・ロサリオ外務大臣との間で,環境・気候変動無償「メトロセブ水道区上水供給改善計画(11億6,500万円)」、テロ対策等治安無償「沿岸警備通信システム強化計画(11億5,200万円)」及び防災・災害復興支援無償「台風ヨランダ災害復旧・復興計画(46億円)」に関する交換公文の署名が行われた。



 「メトロセブ水道区上水供給改善計画」は、日本の優れた中央監視制御装置(SCADA)システム等の導入支援をメトロセブ水道区の上水供給エリアにおいて実施し、リアルタイムでの給水状況の正確なモニタリングと水道施設の適切な運転管理体制の構築を図るものである。これにより、フィリピン政府が進めている地方拠点開発のためのインフラ整備促進に貢献するとともに、日本企業の有する優れた技術がフィリピン国内で普及することにより、日本企業のフィリピンへの展開の足がかりになることが期待される。

 「沿岸警備通信システム強化計画」は、フィリピン沿岸警備隊の主要運用船舶及び新設管区本部(ルソン北東,ヴィサヤ東)等と本庁間の通信システム整備、及びセブ港周辺海域の船舶航行監視システムの構築を行うことにより、海上安全確保における対応能力の向上を図るものである。これにより、島嶼国であるフィリピン政府が進めている海上運輸交通の強化に貢献するとともに、かかる投資環境整備を通じて日本企業のフィリピンへの進出促進が期待される。

 「台風ヨランダ災害復旧・復興計画」は、台風ヨランダの被災地域において、医療施設・学校・政府庁舎等の社会インフラや経済インフラ、防災インフラ等の早期復旧・復興(施設建設,機材調達)等につき優先度の高いものを支援することにより、被災地域の速やかな復旧・復興を図るものである。これにより、フィリピン政府が進めている災害に強い社会の形成に貢献するとともに、フィリピンの持続的経済成長及び日本との緊密な経済関係が維持・促進されることが期待される。

 これらの協力を通じて、フィリピンの開発政策支援を図ると同時に、今後の日本企業の海外展開が促進されるなど、日本とフィリピンとの経済関係が一層強化されることが期待される(14年3月25日の日本外務省発表より)。