住友鉱出資のニッケル・アジア、2013年は7%減益
2014/03/25
市況下落響く、インドネシア禁輸措置で今年は反発
有力ニッケル鉱山会社であるニッケル・アジア・コーポレーション社(ナック社)が、3月24日に、2013年度(1月~12月)の決算を発表した。
それによると、2013年のニッケル鉱石出荷量は同19%増の1,400万トンへと二桁増加した。しかし、ニッケル市況下落により、出荷額は同6%減の105億ペソへと減少した。サービス収入などは増加したがニッケル鉱石出荷額減少をカバーするには至らず、営業収入は同4%減の111億ペソにとどまった
減収効果にくわえ、ペソ高、償却負担増などが響き、報告純利益は同17%減の25億8,644万ペソ、帰属純利益は同7%減の20億5,367万ペソと減益を余儀なくされた。ただし、出荷量は順調の増加しており、市況が回復すれば業績も再上昇基調なりそうである。
実際、ニッケル有力産出国のインドネシアが、2014年年初に、未加工の鉱石輸出禁止措置を発動したことで、ニッケル鉱石国際市況が反発している。ナック社は2014年の出荷数量はさらに増加し1,530万トン程度に達すると見込んでいる。インドネシア禁輸措置分を代替するほどの増産余力はなさそうだが、市況反発が2014年の業績に好影響を及ぼしそうである。
なお、ナック社は世界有数のニッケル資源国であるフィリピンにおいて、最大規模のニッケル鉱石生産を行う鉱山会社である。そして、住友金属鉱山の重要な戦略パートナーである。ナック社傘下には、住友金属鉱山のフィリピン子会社であるコーラルベイ・ニッケル社(CBNC)へ出資するとともにニッケル鉱石を 供給しているリオツバ・ニッケル・マイニング社がある。
住友金属鉱山は2009年8月にナック社に資本参加した。2013年12月末時点で、100%子会社である住友金属鉱山フィリピン・ホールディングス (SMMPH)を通じて、ナック社株式約19.12%(個別株主名が明示されている分)を保有している(14年3月24日のフィリピン証券取引所回覧1319-2014号などより)。