セブ・パシフィック航空、13年は86%減益

2014/03/16

外為損等響く、乗客数8%増の1435万人
第4四半期は1.5億ペソの赤字に転落

 

 フィリピン最大の航空会社であり、アジア有数の格安航空会社(LCC)のセブ・パシフィック航空(CEB)が2013年度第4四半期(9月~12月)及び年間の決算を発表した。CEBはゴコンウェイ・ファミリーの有力企業でもある。

 

 CEBの第4四半期の収入は前年同期比3.9%増の104億ペソにとどまった。11月8日にフィリピン中部を襲った超大型台風30号の影響で乗客数が伸び悩んだことが響いた。そして、営業経費が同14%増加したこと、金利負担が倍増したこと、ペソ安に伴う外国為替損失が5億3,400万ペソに達した(前年同期は1億9,400万ペソの外国為替益)ことなどで、最終損益は1億5,200万ペソの赤字に転落した(前年同期は12億9,900万ペソの黒字)。

 2013年年間の乗客数は前年比8.3%増の1,435万1,765人へと増加したが、台風による第4四半期の伸び悩みが響き、当初目標の1,500万人を下回った。年間営業収入も同8.2%増の410億ペソと一桁増にとどまった。営業経費は同9.5%増加したことで営業利益は同9.7%減の24億ペソへと減少した。

 さらに、年間でもペソ安に伴う外国為替損失が20億6,300万ペソに達した(前年は12億0,515万ペソの外国為替益)ことで、年間純利益は5億1,195万ペソにとどまり、前年の35億7,201万ペソからは85.7%の大幅減益となった。
 

 なお、CEBは今年3月に創業18周年を迎えた。CEBは1996年3月8日に、セブ⇔ダバオ毎日便の運航を開始した。その後、積極的な路線拡大、新鋭機導入、斬新なアイディア(飛行前の客室乗務員のダンスによる安全講習など)などにより、急成長を続け、現在ではフィリピン航空(PAL)を追い抜きフィリピン最大の航空会社(単独ベース)ともなっている。創業以来の累計乗客数は8千万以上に達している。

 CEBは現在、国内便36路線、国際便24路線で運航しており、現在も積極的に新路線就航、増便などを行っている。日本路線も大幅拡充しつつあり、まずマニラ⇔大阪(関西空港)線を増便した。昨年12月20日にそれまでの週3便から毎日便とした。2014年3月30日には、マニラ⇔東京(成田)線(毎日便)を就航する。同日に、マニラ⇔名古屋(中部国際空港)線も就航される。同線は、火、木、土、日曜日の週4便となる。
 
 

 CEBの現在の運航機数は、エアバスA319 が10機、A320が29機、A330が3機、ATR-72 500が8機、合計50機に達している。これは、フィリピン航空会社のなかで最多である。その機体年齢はアジアの航空会社のなかで最も若いとされている。さらに、2014年から2021年にかけて新鋭機13機以上を取得予定である(14年3月14日のフィリピン証券取引所回覧1156-2014号などより)。