フィリピン、政府機関の要職に女性多用
2014/03/11
比女性、1937年4月に参政権を獲得
現在の平等度はアジア断トツ、世界5位
3月8日は「国際女性デー」である。フィリピンでは3月を「女性の歴史上の役割を評価する月間」「全国女性心臓健康月間」として、3月の第1週を「女性週間」として、女性を称えている。
政府は、女性参政77年目に入るこの4月を前に、出版された2013年4月30日のデータをアップデートした。1937年4月30日行われた国民投票 (賛成91%、反対9%)でフィリピンにおける女性の参政権が認められて以来、女性は政治の中で重要な役割を果たしてきた。参政権を獲得した同年にカルメ ン・プラナス女史(マニラ市議)ら5人の女性が地方選に当選した。
現在の女性国会議員の数は、上院(24議席)6人。下院(234議席)64人。また、現在、政府及び政府機関の要職を占めている女性はデ・リマ司法相や バルドス労働雇用相など55人。また、女性の在外大使・総領事は26人である
なお、フィリピンは、男女平等度ではアジアで断トツ、世界でもトップクラスと評価されている。世界経済フォーラム(WEF)は、昨年10月24日、世界 136カ国・地域の政治、社会、経済面での男女格差を総合的に評価した「国際男女格差(ジェンダーギャップ)報告書2013年版」を発表、そのなかで、男 女平等度を指数化、ランキングしている。
2013年男女平等度トップはアイスランド、2位フィンランド、3位ノルウェー、4位スウェーデン、5位フィリピンと続く。ちなみに、中国は69位、日本は105位、韓国は111位であった。
フィ リピンは前年の8位、前々年の9位から一段と上昇、アジア首位の座を一段と強固にしている。フィリピンの男女平等度の項目別動向は、教育水準では世界第1 位、健康・寿命でも世界第1位、経済への参加・機会で世界16位、政治への参加・関与では世界第10位とランクされている。
特 に教育に関しては、全ての項目で世界トップとなっている。1)識字率は女性が男性の1.01倍 2)初等教育入学率は女性が男性の1.02倍 3)中等教育進学率は女性が男性の1.19倍 4)高等教育進学率については女性が男性の1.24倍となっており、全て世界トップであり、逆不平等といえるほど女性の教育機会が高くなっている(14年3月7日のフィリピン政府官報発表より)。
世界経済フォーラム(WEF)による2013年男女平等度ランキング上位10カ国
国名 |
総合順位 |
経済参加・機会 |
教育機会 |
健康・寿命 |
政治参加 |
アイスランド |
1 |
22 |
1 |
97 |
1 |
フィンランド |
2 |
19 |
1 |
1 |
2 |
ノルウェー |
3 |
1 |
1 |
93 |
3 |
スウェーデン |
4 |
14 |
38 |
69 |
4 |
フィリピン |
5 |
16 |
1 |
1 |
10 |
アイルランド |
6 |
29 |
34 |
65 |
6 |
ニュージーランド |
7 |
15 |
1 |
93 |
12 |
デンマーク |
8 |
25 |
1 |
64 |
11 |
スイス |
9 |
23 |
66 |
72 |
16 |
ニカラグア |
10 |
91 |
28 |
55 |
5 |
(出所:世界経済フォーラム資料より作成)
WEFによるアジア・太平洋地域男女平等度ランキング
上位10カ国 |
2013年 |
2012年 |
フィリピン |
5 |
8 |
ニュージーランド |
7 |
6 |
オーストラリア |
24 |
25 |
モンゴル |
33 |
44 |
スリランカ |
55 |
39 |
シンガポール |
58 |
55 |
ラオス |
60 |
- |
タイ |
65 |
65 |
中国 |
69 |
69 |
ベトナム |
73 |
66 |
(出所:世界経済フォーラム資料より作成)