ジョリビー・フーズの総売上高、1千億ペソ突破

2014/02/16

純利益25%増の46億ペソ、2,764店体制に:13年

 

フィリピンのファストフード最大手ジョリビー・フーズ(JFC)が、2月14日に、2013年度(1月~12月)の決算速報を発表した。

 

 2013年度のグループ全体の総売上高(フランチャイズ店の売上高を含む)は前年度比12.8%増の1,041億ペソで、1千億ペソの大台を突破した。国内外ともに総じて好調に推移したが、特に海外事業の増収率が高かった。例えば、第4四半期はフィリピン事業の12.2%増収に対し、中国事業が19.2%増収、東南アジア及び中東事業が35.3%増収(最高はベトナム事業の40.2%増収)、米国事業が17.2%増収、海外全体では21.2%増収であった。

 JFCの営業収入は同13%増の803億ペソであった。増収効果にくわえ、コスト節減等により報告純利益は同26.5%増の47億ペソへと大幅増加した。株主帰属純利益も同24.5%増の46億ペ ソに達し、過去7年間で最大の伸びとなった。1株当り純利益(EPS:完全希薄後ベース)も同23.3%増の4.331ペソへと増加した。

 JFCは2013年に235の新店をオープンした。12月末のフィリピン国内店舗数は2,181店に達している。内訳はハンバーガーのジョリビー811店、中華のチャウキン400店、ピザのグリーンウイッチ199店、ケーキ・ベーカリーのレッドリボン278店、鶏肉・バーべキュ-のマン・イナサル459店、一昨年買収したバーガー・キン グ34店となっている。

 一方、海外店舗数は583店舗に達した。そのうち、中国ではファースト・フードチェーンのYongheキング(永和大王)が314店、粥チェーンの宏状元餐が43店、新たに買収した華南の牛肉麺チェーン三品王45店などとなっている。これらを含むジョリビーフーズ・グループ国内外総店舗数は2,764店舗に達 している。

 JFCは現会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)であるトニー・タン・カクティオン氏(以下、トニー・タン氏)がアイスクリーム販売で起業した。1978 年1月にJFCを創設、1代でJFCをフィリピン最大のファストフードチェーンに育て上げた。そして、1993年7月には株式上場させるに至った。

 傘下のハンバーガーチェーンである「ジョリビ」ーは、「国民食」とまで称されるほど圧倒的な支持を得ている。世界的に有名なマクドナルドがハンバーガー 市場でトップになれない唯一の主要国はフィリピンであるといわれるほどだ。

 既報の通り、このJFCが目標としているのが日本のゼンショー・グループ(東京都港区)である。JFCは、アジア最大のレストラン・ファーストフーズ チェーンはゼン ショー・グループであるとしている。そして、数年後に、ゼンショー・グループを追い抜き、アジア最大のレストランチェーンとなることを目指すとのことである。

 そのためにJFCは積極的な設備投資を続けている。2013年は新店オープンなどに41億ペソが投入された。2014年の設備投資額は54%増の63億ペソとさらに大幅増加する見込みである。主に国内外の新規出店や既存店の改装などに充当される(14年2月14日のフィリピン証券取引所回覧0607-2014号などより)。